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サイン盗みの汚点はMLB史に残る。選手たちの成績すら疑われる事態。

1/15(水) 19:01配信

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 元アストロズの青木宣親外野手と若きヤクルトスワローズたちの、ロサンゼルス郊外自主トレーニングの様子を書き終えたばかりのアメリカ合衆国の1月13日月曜日の午後、衝撃的な――しかし、想定内の――ニュースが飛び込んできた。

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 2017年から2019年にかけての「サイン盗み」疑惑でメジャーリーグ機構から調査を受けていたアストロズに、500万ドル(5億円以上)の罰金および、ジェフ・ルーノウGMとA.J.ヒンチ監督の2020年シーズンの職務停止(無給)、今年と来年のドラフト1巡目と2巡目の指名権はく奪などの処罰が科された。

 この処分を受けて、アストロズのジム・クレイン代表はルーノウGMとヒンチ監督の解任を発表した。

間違った方法で技術を使うことは簡単。

 アストロズはワールドシリーズに初優勝した2017年、相手チームの捕手のサインを盗むためのカメラを外野席に設置し、ダッグアウト内のゴミ箱を叩いたり、口笛を吹くなどして変化球の時に「次の球種」を打者に伝達したり、チーム幹部が携帯タブレットなどの電子機器によるサイン盗みを徹底するメールをスカウト陣に送っていたと伝えられていた。

 「テクノロジーの発達によって、球の回転軸や回転数、打球が長打になる最適な速度や飛び出し角度などを野球の技術向上に役立てるチームが普通になった今、間違った方法でテクノロジーを使用することは簡単だし、これから先の未来にはもっと凄いことが出来るようになるかも知れない」

 FOX局の解説者にして優れた取材記者でもあるトム・ベルドゥーチは、MLBネットワークの番組でそう言った。

 MLB機構は「サイン盗み」が行われる可能性を事前に察知していたのか、すでに想定していたかのように、急速に現場で導入される「テクノロジーの悪用」に関して、先手を打ってきた。

2014年には対策が始まっていた。

 2014年 ビデオ判定の導入に伴い、全球場に無人のビデオ・リプレー・ルームを設置。

 2017年 MLB機構が電子機器をサイン盗みに使うことの禁止を正式に決定。

 2017年 9月、レッドソックスが時計型携帯端末の「アップル・ウォッチ」を試合中に使用したこと、ヤンキースが電話を不適切に使用したことに罰金処分。

 2018年 MLB機構は全球団の社長、GM、GM補佐に対して、電子機器を「決してサイン盗みを目的に試合中に使用してはならない」と通達。

 2018年 8月、アスレチックスがMLB機構に対し、アストロズの地元ヒューストンでのシリーズにおいて、拍手(で合図すること)に対する調査を要望。

 2018年 「サイン盗み」を防ぐため、ポストシーズンで有人のビデオ・リプレー・ルームが初めて導入。

 2018年 アメリカンリーグ優勝決定シリーズのレッドソックス対アストロズの際、レッドソックスの地元ボストンのフェンウェイパークにおいて、アストロズの職員がカメラ・エリアから退場になる。

 2019年 開幕前、MLB機構は有人のビデオ・リプレー・ルームの継続使用と「サイン盗み」防止のためのルールを強化。

 2019年 田中将大投手が先発したアメリカンリーグ優勝決定シリーズ第1戦において、ヤンキースがMLB機構に対し、アストロズの口笛による合図に対する調査を要望(ただし、田中投手が6回1安打と好投するなどして、7-0でヤンキースが勝っている)。

 2019年 11月、マイク・ファイアーズ投手(現アスレチックス)ら2017年にアストロズに所属していた4選手が、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」に2017年のアストロズ「サイン盗み」を告白。

 2020年 1月、MLB機構の調査の結果、処分が決定。

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最終更新:1/17(金) 11:16
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