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『カツベン!』成田凌 周防監督から楽しむこと学んだ

1/16(木) 17:12配信

NIKKEI STYLE

『Shall we ダンス?』(1996年)、『それでもボクはやってない』(2007年)などの周防正行監督の5年ぶりの新作となる『カツベン!』(19年12月13日公開)で、成田凌が念願の映画初主演を飾った。演じるのは、大正期の映画館で無声映画に声をあて、その名調子で観客たちの心をつかんだ「活動弁士」だ。

成田は、13年に『MEN'S NON-NO』専属モデルとなり、14年に俳優デビュー。以降、映画『キセキ-あの日のソビト-』(17年)、ドラマ『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd Season』(17年)などに出演して存在感を高めてきた。
「周防監督の作品が好きでしたし、脚本が面白かったのもあり、『カツベン!』のオーディションを受けました。それが18年の4~5月くらい。『これに受かったら何か変わるんじゃないか』という気持ちで受けたので、決まったときはうれしかったです。
役作りを始めたのは6月から。実際に今、活動弁士として活躍されている坂本頼光さんに付いていただいて、毎日練習しました。坂本さんが手本を見せてくれて練習する、その繰り返しの日々でした。習うというより、『盗む』という感覚でしたね」

■噺家特有のしゃべりを体得

ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担がされていた主人公・染谷俊太郎が、閑古鳥が鳴く映画館で、本物の活動弁士になるチャンスをつかむ…という物語。撮影は大正期の面影が残る京都、滋賀、岐阜、福島など各地を巡って行われた。

「周防監督は役者を信用して、最初に自由をくださる方。『まずは思ったようにやってみて』と演じさせてくれる、優しい方でした。

難しかったのは、七五調の、日本の噺家さん特有の話し方です。それを『もっと濃くして』と先生や監督に言われるんですけど、できない。それで、家でも移動中でも、落語や講談を聞いて、歌舞伎やいろんな伝統芸能にも触れました。そうやって節やリズムを体になじませることを繰り返しました。

活弁シーンの本番は、監督に『堂々とやって』と言われたので、それだけを大切にしていました。映画館は、明治時代から存在する芝居小屋をお借りして撮影したんですよ。そこにいるものすごい数のエキストラさんを、衣装さんやメイクさんたちが本物の大正時代の人のようにされていたので、活弁のシーンはすごく楽しんで気持ち良くできました。多分本番が一番うまくできたと思いますね。

完成した映画を見て不思議だったのは、純粋に映画として楽しめたこと。あれはびっくりしたなぁ。いつもは自分のダメなところばっかり見ちゃうんですけど、監督やみなさんの力で大船に乗った気分だったからだと思います」

19年は『チワワちゃん』『愛がなんだ』など6本の出演作すべてが映画となった。

「確かに19年は映画メインっていうか、ほぼ映画しか出てない(笑)。でもそれは、たまたまそうだっただけで、映画に絞ったって感覚はないです。僕はもともとテレビっ子で、ドラマも好きなので。

僕がやりたいと思う基準は、作品として面白いかどうか、自分がやる意味があるかどうか。あと大事なのは楽しめるかですね。もちろん『この監督とご一緒してみたい』っていうのもあって、出会う監督ごとに、学ぶものも多いです。

周防監督からは、現場を楽しむことを学びました。周防さんは本当に毎日楽しそうだったんですけど、僕が唯一のラブシーンだと思っている、(黒島結菜と)2人で活弁をするところは『特に楽しかった』と喜んでいましたね。

あと監督は全国47都道府県をキャンペーンで回って、300媒体以上の取材を受けてるんですよ。それって本当にすごいこと。作品を愛されていることを感じるし、自分も見習わなきゃいけないと思います。それから『現場の誰もが意見を言える環境を目指している』ともおっしゃっていて。それはすごく正しいことだなと思いました」

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最終更新:1/17(金) 7:47
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