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常夏の島のココナッツが絶滅の危機!最強の害虫・カブトムシ(CRB)の恐怖(グアム)

1/16(木) 15:01配信

サライ.jp

東南アジアから輸入された貨物に紛れてグアムにやってきたCRB

文・写真/陣内真佐子(グアム在住ライター/海外書き人クラブ)

広大な太平洋に浮かぶマリアナ諸島の中のひとつ・常夏の島グアムには、CRB(Coconut Rhinoceros Beetles)という名のバイオタイプのサイカブトムシが生息している。

体長5cm前後と大きく、その名の通りサイのように太く短い1本ツノを頭に持つ昆虫である。

日本でカブトムシといえば、高値で取引されることも多い昆虫の王様的存在だが、グアムでは島民から忌み嫌われている。

なぜなら、CRBは米国農務省動植物検疫局(USDA-APHIS)と米国農務省森林局(USFS)がグアム政府に財政支援をし、根絶計画に乗り出すほど甚大な被害をもたらす害虫だからだ。

外来侵入種であるCRBは、世界中の人々を震撼させたあのアメリカ同時多発テロ事件のちょうど6年後の2007年9月11日、タモン(Tumon)湾に隣接するファイファイ(FaiFai)ビーチではじめて発見された。

彼らの上陸経緯は不明だが、東南アジアからの貨物船か民間機で輸入された貨物に紛れて島に入って来たのではないかと言われている。

怖ろしい増殖スピード・卵から卵までの1世代期間はたった5.8か月 !!

グアムをはじめハワイやタヒチなど南の島をイメージする時に誰もが真っ先に思い浮かべる存在であるココナッツの木は、古代チャモロ民族が栄えた時代から飲食料や衣類をはじめ、薬としても崇め用いられてきた大自然からの贈物でグアムの公印(Guam Seal)にもデザインされている。

CRBの成虫はそのココナッツの木のてっぺんに棲みつき、維管束を喰い荒らして樹液を吸い、葉をV字形にかじり、その根元へ穿孔し、ココナッツの木をスッカスカにして枯死させてしまう。
そして、メスがその廃木に産卵するのだ。

グアム大学の昆虫学博士オーブリー・ムーア(Aubrey Moore)によると、メスは成虫してから寿命を迎えるまでの5~10か月ほどの間に120個前後の卵を産下し、約10日間で孵化した幼虫は2度の脱皮で老熟し、3~4週間ほどのサナギ期を経て羽化する。

「卵から卵までの1世代期間はたった5.8か月」というから怖ろしい増殖スピードである。

そして、幼虫の発育最適温度は27~29度だというから、グアムは彼らにとって年2世代の繁殖にぴったりマッチした、暮らしやすい島なのかもしれない。

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最終更新:1/16(木) 15:01
サライ.jp

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