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接見した大学教授が語る「植松聖被告」 初公判で頭をよぎった“幼い頃からの親の教え”

1/16(木) 8:01配信

デイリー新潮

 当時、戦後最悪の大量殺人事件となった2016年7月の「相模原知的障害者施設殺傷事件」。植松聖(さとし)被告(29)が19人の入所者を刃物で殺害し、職員を含む26人を負傷させた惨事は今も記憶に新しい。その初公判が1月8日、横浜地裁で行われた。彼と接見し、何度も手紙のやり取りをした静岡県立大学短期大学部の佐々木隆志教授に話を聞いた。

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 初公判に、黒のスーツに紺のネクタイで現れた植松被告は、犯行時の金色の短髪とはガラリと変わって、髪を長く伸ばし後ろで束ねていた。罪状認否の後に証言台に立つと、「皆さんに深くお詫びします」と述べ、いきなり手を口に押し込むようなしぐさをしながら前かがみになって暴れだした。4人の刑務官は「やめなさい」と大声で制止、廷内は騒然となった。青沼潔裁判長は「休廷します」と告げ、植松被告は開廷からわずか15分で姿を消した。

「初公判の様子を新聞で知りました。舌を噛もうとしていたとする報道もありました。この時頭に閃いたのは、植松被告から届いた2通目の手紙のことです。その手紙には、『私は“男が人前で涙を見せるなら舌噛んで死ね”と御指導を頂きました。それは滅茶苦茶だと思う一方で、とても説得力あるお言葉に思えます』と書かれていました。植松被告は、幼いころから親にそう言われて育ったそうです」

 と語るのは、佐々木教授である。同教授の専門は、社会福祉、老人福祉。

 改めて、事件を振り返ってみる。

 2016年7月26日未明、相模原市にある県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」に、元施設職員の植松聖(当時26)がハンマーで窓ガラスを割って侵入、職員らを結束バンドで拘束し、意思疎通のできない重度の障害者を次々に柳刃包丁で刺した。殺された19人のうち、男性が9人(41歳~67歳)、女性は10人(19歳~70歳)だった。負傷者は26人で、うち、重傷は20人にも及んだ。

 植松被告は大学時代に脱法ハーブ、卒業後は大麻を使用していたという。犯行当日も、大麻を使用していた。そのため、初公判で弁護側は、「被告は事件当時、精神障害があり、障害の影響で刑事責任能力が失われていたか、著しく弱っていた」として無罪を主張した。弁護側は事件の事実関係は認め、裁判では刑事責任能力の有無が争われる。

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最終更新:1/22(水) 17:53
デイリー新潮

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