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セクハラ疑惑超大物プロデューサーの裁判、女性弁護士は「性犯罪容疑者を弁護するプロ」

1/18(土) 15:00配信

クーリエ・ジャポン

#MeTooに疑問を持つ弁護士

世界で「#MeToo」運動が広がる大きなきっかけとなった人物を覚えているだろうか。

ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインがセクハラ・レイプ疑惑で逮捕されたのは2018年5月のこと。当時の英紙「ガーディアン」によれば、100万ドルの保釈金を払ったワインスタインはパスポートを没収されるだけでなく、足首にGPS装置を取り付けられ、移動制限の措置がとられた。そうしないと「高飛び」されかねないからだ。
そして1月6日、ワインスタインの公判が始まったことで、欧米メディアが再び大騒ぎしている。

英公共放送「BBC」は「衰弱し、歩行補助道具を使ったワインスタインがニューヨークに姿を見せ、裁判手続きが始まった」とし、告発者たちは裁判所の前で抗議を行ったと報じた。

これからも彼の一挙手一投足は報じられることになるが、そんなワインスタインについていま、意外なところに注目が集まっている。彼を弁護する女性弁護士である。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、裁判が始まってすぐ、検事は「被害者らを攻撃するメディア報道などはワインスタイン側の仕掛けた戦略」だとして「不快感」を表明した。そして裁判官に箝口令を出すよう求めた、と報じている。

主任弁護士であるダナ・ロトゥーノは、この要求をすかさず突っぱねた。同紙によると彼女は「シカゴの刑事事件専門の弁護士として、珍しい分野を中心に活躍してきた人物だ。性犯罪者を弁護することでキャリアを築いてきたのである」という。
もちろん、性犯罪疑惑が上がった人たちを専門にするロトゥーノにも言い分がある。同記事はこう伝えている。

「”MeToo”運動が広がるなか、裁判などの適正な手続きを経ることなく、男性を違法な性行為や性的暴行で非難しようとする動きが見られる。これが人の名声とキャリアをボロボロにしている、とロトゥーノは主張」

「彼女自身、その逆張りの役割を受け入れている。#MeToo運動がフェミニストの目標達成を助けるとしても、彼女に言わせればやりすぎであり、その代償はあまりに大きいという」

またロトゥーノはメディアにこうも語っている。

「私たちの基本的権利を奪うような運動など、受け入れられない」

つまり、有罪判決が出るまでは誰であっても推定無罪として扱うべきであり、被告が社会的制裁を受けたり、正当に弁明できないような状況を作ることは弁護士として許容できないということだ。

そもそもロトゥーノとはどんな人物なのか。米誌「ヴォーグ」は、「ワインスタインの新しい弁護士(ロトゥーノ)について知るべき4つのこと」との記事を掲載している。

その4つとは、以下の通り。

「性的な違法行為の容疑をかけられた男性を弁護することでキャリアを積んできた」
「彼女はワインスタインの公判で#MeTooを批判している」
「女性であることがこの仕事で使えるとみている(女性だから告発者たちを厳しい目で見れる)」
「『法廷のブルドック』と呼ばれるほどアグレッシブ」

ちなみにこの記事は男性が書いている。

英紙「デイリー・メール」は、ロトゥーノの「ハーヴェイと会い、ハーヴェイと話をして、最初の1日目からハーヴェイがレイプ魔だとは思えなかった」という発言を紹介。さらに彼女は「ハーヴェイがスケープゴートにされたと強く信じている。彼は何十年もの間、ずっとおこなわれてきたことをして、非難されている」とも主張しているとし、「『女性の仲間意識』が『実際に起きたことと事実を曖昧にしている』のだと彼女は述べている」と書く。

米ゴシップサイト「TMZ」は、「失脚したハリウッドの大物であるワインスタインは、あまりにも膨大な量の否定的な報道を受けてきたため、公正な判断がくだせる陪審員を探せるとは思えない」と、ロトゥーノが語っているとも報じていた。

もっとも、ロトゥーノは公判に自信を持っているようで、こう主張している。

「ハーヴェイはさらに強くなって復活する」

Toshihiro Yamada

最終更新:1/18(土) 16:02
クーリエ・ジャポン

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