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炭水化物をむやみに制限すべきでない理由

1/18(土) 12:21配信

Wedge

評価が大逆転した栄養素:食物繊維

 栄養学は豹変する……これは私が尊敬する栄養学者の言葉。たしかに栄養学は、数学や哲学や天文学などに比べれば、はるかに歴史の浅い学問だ。近代栄養学は大きな世界大戦(第一次世界大戦、第二次世界大戦)で飛躍的に進歩したのだから、まだ百年チョットの歴史しかない。その割には、人々の生活に大きな影響を与えるので、とりわけ、このところ急速に進歩している。

そのため、少し前までは「悪玉」といわれていた物が急に「善玉」になったり、その逆だったりと、その評価が大きく変わることも少なくない。食物繊維もその1つだろう。

そもそも食物繊維は「繊維状のいかにもスジスジした成分」のことではない。食物繊維の定義は「ヒトの消化酵素では消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称」である。簡単にいうと「口から食べても消化・吸収されずに便として肛門から出て行く成分」となろうか。

「体内に吸収されないのだから、栄養的には何の役にも立っていないはずなので、そもそも栄養素とはいえない」と、50年ほど前までは考えられていた。しかし1971年、イギリスのバーキット博士が、アフリカの調査で「食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)の摂取量が多い(つまり大便の量が多い)人では大腸ガンになる人が少ない」ことを発表。それ以来、食物繊維は「栄養素ではないが、口から入って肛門から出ていく過程で、発ガン物質を体外に排出したり、大腸壁をきれいにしたり、などの栄養的な働きをする」ことが推測されるようになった。

「何の役にも立っていないし、栄養素とさえいえない」という評価から、「便秘を解消し、ある種のガンや多くの生活習慣病の予防にも役立つ」という、きわめて高い評価を獲得する成分となった。現在では、食物繊維を栄養素の1つとして評価する研究者が多い(中には今でも「栄養的な働きはするけれども、体内に吸収はされないので栄養素とはいえない。栄養成分というのが正確である」とする研究者もある)。

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最終更新:1/18(土) 12:21
Wedge

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