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【林真理子×奈良宗久】「茶道」で和む、敬う、清めるひととき[FRaU]

1/19(日) 10:40配信

講談社 JOSEISHI.NET

日本人の生活様式まで取り入れた“総合芸術”である茶道。裏千家 業躰の奈良宗久さんが、林真理子さんを迎えるために自ら設えた床の間の掛け軸には、「坐花酔月」=“花に坐し月に酔う”の四文字が。師匠である千宗室お家元様の書だそう。この日は中秋の名月。奈良さんの点てたお茶を飲み、ともに昼食をとりながら、和みの時間は過ぎていきました。

【写真】日本茶のお供に♪フォトジェニックなお菓子

侘び寂びには、「不完全の美」 という意味もあります

林 昨年、「日日是好日」という映画がヒットしましたね。お茶の先生を演じた樹木希林さんは、映画がきっかけで、初めてお茶の作法を習ったそうですが。

奈良 映画を拝見しましたが、樹木さんの作法、素晴らしかったです。本来、お茶の稽古は終わりが見えないもので、一生かけて、同じことを繰り返していかなければなりません。人というものは、わかりやすいゴールがないと、未知なる世界に入っていけない。一つのことを愚直に続けていくことが難しい時代ですが、続ければ、必ず何か見えてくるものがある。それが「道」ということなのだと思います。

林 30年前に、お茶の先生について習ったことがあります。その先生が、85歳ぐらいで、とても素敵な年齢の重ね方をしていたんです。「歳をとって、こんな素敵な人になれるなら」と、思って習い始めたのですが、結局2年ほどしか続きませんでした。最近も2年習って止めて。“何かが見える”境地には至りませんでしたけれど、さっき、先生のお点前をいただいて、お茶を点てる一連の流れの中で生まれる音が、澄んでいて、綺麗だと思いました。

奈良 お茶の作法は、繰り返すことで、どんどん洗練され、無駄のない動きになります。音も重要で、お茶を音を立てて啜る行為も、「美味しくいただいています」という無言の合図なのです。

林 去年、家柄や資産に恵まれた男性を主人公にした『愉楽にて』という小説を書いた時に、お茶の先生方も取材しました。お茶というと、どうしてもお金がかかるイメージがありますね。

奈良 ただ最近は“学校茶道”と言って、学生で茶道を習う人がすごく多い。今はSNSの時代ですから、情報を手に入れるのは簡単だけれど、SNSでは、イメージは伝わっても、実際に香りや味や手触りを体験することはできません。

茶道が、日本人の生活様式まで取り入れた“総合芸術”と言われているように、五感を使って、季節の移ろいを感じるような体験は、今の若い人には新鮮なのでしょう。今年の夏は、全国の約20大学から茶道部の学生が集まって、金沢に点在する10の茶室でお茶会をする“全国学生大茶会”を地元金沢市で開催しました。盛況でしたよ。

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最終更新:1/19(日) 10:40
講談社 JOSEISHI.NET

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