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“田舎球団”レッズを選んだ秋山翔吾 「実績に見合わない年俸」からの脱却

1/19(日) 6:00配信

文春オンライン

 1995年、幼稚園の卒園文集に「ぷろやきゅうせんしゅになりたいです。いちろうみたいにひっとうちたいです」と記した少年が、夢の舞台に辿り着いた。

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 西武から海外FA権を行使し、レッズと正式契約した秋山翔吾外野手(31)。彼はなぜ、これまで日本人が所属したことのない“未知の球団”を選んだのか。

「本拠地のシンシナティはオハイオ州の静かな田舎町で、日本人選手が環境面での決め手に挙げる大規模な日系コミュニティもない。やはり前交渉の段階で“いの一番”に手を挙げてくれたことを意気に感じたようです」(スポーツ紙デスク)

 さらにレッズが提示した3年総額2100万ドル(約23億円)は、メジャー未経験の30代に対しては異例の大型契約だ。デビッド・ベル監督は「1番か2番打者で起用したい」と明言している。

「レッズ側はここ数年間、秋山の調査を綿密に進めていた。バットコントロールと選球眼で出塁し、チャンスを多く作るというプレースタイルそのものに惚れ込んでいることが伝わりました」と前出のデスクは語る。

 秋山自身はレッズ入りに、「初めての日本人というのは大きな魅力。歴史に名前が残ることは励みになる」と意気込むが、西武担当記者は「いかにも叩き上げで、“裏街道”を突き進んできた秋山らしい」と感心する。

無名の大学からプロ入り、実績に見合わない年俸……

「秋山は小6の頃に父を胃がんで亡くし、女手一つで育てられた。高校も神奈川では中堅クラスの横浜創学館で、足首の捻挫によって思うようなアピールができませんでした」(同前)

 無名の八戸大(現・八戸学院大)に進学後、頭角を現し、10年のドラフト3位で西武に入団。15年には憧れのイチローを抜く、216安打のシーズン安打新記録を達成した。

「ナイター後もすぐに室内練習場に向かって打撃練習を欠かさず、レギュラーに成長した。一見(いちげん)であろうが、きちんと準備してきた記者には言葉を尽くして取材に応じる選手です」(同前)

 だが、19年の年俸は2億3500万円に過ぎず、

「実績にあまりに見合わない額に、他球団の選手からも同情の声が上がっていた。本人も一昨年に行ったカンボジアでの野球教室に引っかけて『僕だけカンボジア価格ですよ』と不満を漏らしていました(笑)」(同前)

 昨年10月に侍ジャパン強化試合の死球で骨折した右足薬指も完治したという。

「一番不安だった身体検査も問題なく終わったのでホッとしています。怖がらずにトレーニングの強度を上げていける」と語る秋山は、正式契約後すぐに静岡・下田市に直行。自主トレーニングをスタートしている。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月23日号

最終更新:1/19(日) 12:24
文春オンライン

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