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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・巨人軍(ジャイアンツ)第4回 ONのプレッシャーからついに自由になった「令和の原辰徳」

1/19(日) 10:00配信

デイリー新潮

「王・長嶋の時代はなぁ」と遠い目をするオールド・ファン、「ゴジラ松井までは」追っかけていた団塊ジュニア世代、そして、いつの時代にも存在するアンチ巨人……しかし、その誰もが、いまだに巨人軍の“昔日の面影”を追っている――。

「むかし、むかーしの物語」もいいけれど、今のリアルなジャイアンツの姿を、はたしてどれだけの人が知っているのだろうか? G党No.1野球ライターが、選手、監督・コーチ、球団・球場、ファンを切り口に「令和の巨人軍」の実像に迫る! 

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“若大将”が“大御所”に

 原辰徳45回、坂本勇人26回、岡本和真22回、菅野智之19回、阿部慎之助16回。

 これはスポーツ報知の2019年1面登場回数ランキングである。今のチームの主力選手たちを抑え、原監督がぶっちぎりでトップ独走だ。やはり昭和の大スターの世間的知名度は半端ない。

“ナガシマ2世”と騒がれた高校時代は雑誌「明星」のグラビアを飾り、1981年の巨人入り直後はラジオ番組で田原俊彦と対談をしていたスーパーアイドル。プロ1年目に新人王を獲得しチームも日本一になると、1億総タツノリフィーバーが巻き起こる。82年のピーク時は大手7社のテレビCMに出まくり、「4番サード原」がキャリアハイの103打点でMVPに輝いた83年は、巨人戦テレビ中継視聴率は史上最高の年間平均27.1%を記録している。

 まさにどんな人気芸能人よりもテレビに出まくった前代未聞のアスリート。つまり、バブル突入前の混沌と混乱と狂熱の80年代前半、日本中がタツノリスマイルに注目したわけだ。

 しかし、現代は娯楽の選択肢も増え、大スターを国民全員で共有するという感覚が薄れてきている。アイドルグループも有名ユーチューバーも、もちろんプロ野球選手も熱狂的ファンがつくサークルの中では人気でも、世間という名の「環状線の外側」ではほとんど無名の存在に近い。年末の令和最初の紅白歌合戦の視聴率は1部34.7%、2部は37.3%で歴代最低を記録(1部はワースト6位)。日本人のほとんどが口ずさめるヒット曲はもう何年生まれていないのだろうか。

 そんな令和のリアルにおいて、原辰徳は紅白歌合戦や巨人戦が“国民的娯楽”だった時代からずっとスーパースターであり続けている。偉大なONが一戦を退き、闘将・星野仙一が亡くなり、広岡達朗や野村克也が現場復帰することももうないだろう。今の12球団の監督を見渡しても、原監督と勝負できる知名度や影響力を持つ指導者はひとりもいない。気が付けば、ひ弱なお嬢さん野球の象徴とすら言われた若大将が、40年の時を経ていまや球界最後の大御所になった。

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最終更新:1/19(日) 10:00
デイリー新潮

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