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台北市内にある「鉄観音茶」の名産地で茶を学び味わい尽くす(台湾)

1/20(月) 15:02配信

サライ.jp

文・写真/長尾弥生(海外書き人クラブ/台湾在住ライター)

台湾には多くの銘茶があるが、中心都市の台北市内にも世界的な産地があると聞いて驚いた。東京23区の半分の面積にも満たないこじんまりした台北市のどこに茶畑が?、と不思議だったが、茶畑は台北盆地の南側の山間に広がっていた。台北市文山区木柵(ウェンシャン区ムーズー)。そこは「キング・オブ・ティー」と呼ばれる鉄観音茶の世界二大産地の一つであり、知る人ぞ知る銘茶の里なのである。

鉄観音茶といえば、日本ではペットボトル茶にその名を見ることもあって親しみもある。しかし中国茶の世界では、生産量が少なく希少価値が高いことから「キング」とも位置付けられる本物の銘茶だという。

その特徴は、蘭のような花や蜜といった芳醇な香り。味には強さがありながらなめらかな喉ごしで、口の中全体に香りが広がり、後にじわじわと甘みが効いてくる。色はゴールデンシロップとも言われ、黄色や薄緑色の透明感あるお茶だ。

ロープウェイで猫空(マオコン)へ

高層ビルの建ち並ぶ台北中心部から車で約10分。猫空ロープウェイの始点、動物園駅からゴンドラに乗り、ぐんぐんと山を登り山を越えて約20分。終点の猫空(マオコン)駅に到着すると、そこは台北市内ながらも豊かな自然に囲まれた海抜300メートルの山間だ。


一帯は「木柵觀光茶園」と呼ばれる人気の観光地。茶畑を臨んで茶芸館やレストランが並び、茶畑の合間に延びる遊歩道は、天気のいい週末ともなれば散策を楽しむ人たちで賑わう。

鉄観音茶を台湾に持ってきた一青年、張迺妙の功績を想う

この木柵に鉄観音茶をもたらしたのは、中国の福建省からやってきた一人の青年・張迺妙(ジャン・ナイ・ミャオ)。鉄観音茶の産地として知られる福建省安渓に生まれ、幼い頃から有名な茶師のもとで茶の栽培や製造技術を学んできた彼は、20歳の時に新天地を目指し、船の片道切符を手に海を渡ってきた。1895年、ざっと120年も昔のことである。

張迺妙が初めて見る台湾の茶畑は、種類の違う茶樹が雑多に植えられており、品質が良くないことは一目瞭然だった。そこで彼はまず、茶の名産地である故郷の地形や環境に似た場所を探す。土や日あたり、水はけ、風、霧の発生などを観察して、最初は新店(シンディエン)に、その後、ひとつ山を越えた現在の木柵に移って茶畑を作った。現地で以前から作られていた烏龍茶の一種、包種(バオジョン)茶を研究栽培し、品質向上に励んだ。

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最終更新:1/20(月) 15:02
サライ.jp

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