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増田明美、“飽きさせない”解説のきっかけは永六輔の「独走になった時はなんかつまらない」

1/20(月) 12:00配信

ザテレビジョン

1月26日(日)に、東京オリンピックのマラソン女子日本代表の残り1枠を懸けて有力選手が競い合う「第39回大阪国際女子マラソン」が開催、フジテレビ系で昼0:00から生中継される。

【写真を見る】「“人”を伝えたい」解説への思いを明かした増田明美

解説を務めるのは、選手のプライベートなど細かな話題にも触れることでおなじみの増田明美。先日行われた囲み取材にて、増田が大会の見どころや、解説をする上でのモットーを語った。

■ 大阪には独特の声援の文化も

――今大会の見どころを教えてください。

スピードランナーが多いので、すごく面白くなると思います。特に、福士加代子選手、松田瑞生選手、小原怜選手は、3人それぞれにドラマがある。これまでの競技人生においてもすごく特徴のある3選手なので、そういう人が一枠を争うのは見ていても緊張感がありますね。

――開催地である大阪のコースの特徴はありますか?

大阪はアップダウンが少なくて、世界も認める高速コースなんですよ。本当に記録が期待できるので、スピードを楽しみに見ていただきたいと思います。

大阪というと笑いの文化があるので、沿道から厳しいような声援もたくさん飛ぶんです。「疲れてるのか?気のせいや!」とか、そういった応援で背中を押される選手も多いので、どれくらいの記録が出るか期待していただけたらと思います。

私が選手の時は、第3集団を走っていたら、沿道から「増田、お前の時代は終わったんや!もっと頑張れ!」と(笑)。大阪の方はちょっと面白がるような応援をするということが分かっていないと、がくっときてしまうかもしれないですが、それが愛なんですよね。だから、その応援の文化も楽しんでほしいです。

――沿道の声援が選手にも聞こえているのですね?

マラソンランナーは全部聞こえるんです。

今回、副音声を務める渋井陽子さんが大阪を走っていた時には、沿道の方がかわいい選手に「風邪ひくなよ」と言ったんですって。でも、自分は何も言われなかったと。そういうことも渋井さんと土佐礼子さんが副音声でネタにしているので楽しみにしてください。

――解説と副音声の方の掛け合いも見どころの一つだと思いますが、何か打ち合わせはされているのでしょうか?

打ち合わせなしですよ。それぞれが喋りたいことを喋るという感じです。

マラソンって個人スポーツじゃないですか。自分の思うように進めていくから、聞いている方が、「みんな(一斉に)喋ってる!」と思うこともあるかもしれないですね(笑)。でも、それがマラソンランナー特有の我を押し通すということなので。それぞれが自分らしくやっていると思います。

■ 独走になった時、飽きさせないために

――増田さんといえば、選手のことを深く取材した上での解説が特徴的ですが、取材の際に心掛けていることはありますか?

“選手である前に人なんだ”ということですかね。選手としての強さや速さは見ていれば分かりますが、なぜこの人がこういうレースをできるのかということを知ってもらうために、その人が大事にしている言葉や、競技生活、子供の頃の性格など、人となりが分かるようなことを解説に入れたいなといつも思っています。

引退後、ラジオの仕事をやり始めた時に永六輔さんにお会いする機会に恵まれて。永さんが、「好きでマラソン中継を見ているけど、独走になった時ってなんかつまらなくなる」とおっしゃったんです。「増田さん、独走になった時に俳句の一句でも詠んだ方がいいですよ。飽きさせないように見せる工夫をした方がいいですよ」と。

実際に、自分の句ではないですが、「クイーンズ駅伝」(※宮城県で開催)ではコースが(松尾)芭蕉が歩いた道と反対をたどっているので、多賀城のところで芭蕉が詠んだ句を紹介しました。

永六輔さんからの影響はすごく大きいですね。飽きさせないということは永六輔さんから教えていただきました。

それから、2000年のシドニーオリンピックの時には、Qちゃん(高橋尚子)が、練習のジョギング中に(指導者だった)小出義雄さんと一緒に短歌を読んでいると言っていて。その時に披露してもらった「タンポポの 綿毛のように ふわふわと 42キロの 旅に出る」という句をいい句だなと思って、(高橋が)サングラスを取ってスパートをかけた際に紹介したんです。だから、短歌も私の中ではキーワードの一つになっています。

■ 大切なのは「我慢強さ」

――今大会のキャッチコピー「最後は、私。」のように、最後の1枠に入るために必要なことはなんでしょうか?

限界だと思ったところから、もう一歩の練習をしてきた人が強いんでしょうね。それが一つと、もう一つは、人間力みたいなものがあるのかもしれません。日々の生活や人生の中で、どれだけ踏ん張ってきたかとか我慢してきたか、その一瞬にそういう強さが出るのではないでしょうか。

たぶん私に足りなかったのはそれなんですよ。おばあちゃん子で甘やかされて育ってきたので、我慢強くない。おばあちゃんのせいにはしたくありませんが、練習でも今までの人生でも、悔しい思いをしたとかつらい思いをしてきたとか、そういうのが出るのだと思います。

――最後に、解説者としての今後の展望を教えていただけますか?

“人”を伝えたいという気持ちは常にありますね。でも、私がずっとここにいたら若い人たちも大変じゃないですか。現場にいるのは好きですが、上手にたすき渡しをしながらやっていきたいなと思います。引退するわけではないですけどね(笑)。(ザテレビジョン)

最終更新:1/20(月) 12:00
ザテレビジョン

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