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ゴーンが国内最後のインタビューで語ったこと

1/20(月) 13:00配信

東洋経済オンライン

 ――現在の日産の業績悪化の原因についてどう考えていますか。

 業績悪化の責任は、第一義的には、悪化した時点のCEOである西川氏にあると言えるだろうが、根本的には、その前任であるゴーン氏がCEOの時代に北米で過剰値引きをしたことが原因となったことは否定できないと思う。ゴーン氏が今も日産に残っていたとしても、日産の業績の悪化は避けられなかっただろう。

 ただ、私がインタビューを通じて感じたのは、日産がそういう逆境になった時に、ゴーン氏がいれば、FCAとのアライアンスなどの大胆な戦略で危機を突破できた可能性もあったのではないかということだ。ゴーン氏は、そう思わせる企業人としてのパワーを感じさせる人物だったというのが、インタビューを通じて私が受けた印象だ。

 ――ゴーン氏の話を聞いたうえで、今回の日産自動車とゴーン氏をめぐる事件について、どのように捉えていますか。

 ゴーン氏は羽田空港到着後、弁解も聞かず突然逮捕された。その容疑事実とされた「未払いの役員報酬」の開示に関する金融商品取引法違反が、刑事処罰が当然と言えるような問題ではないことは、私が一貫して言ってきたことだ。それは、インタビューを踏まえてもまったく変わらない。事件の内容から当然だと言えるものではなく、ゴーン会長追放が目的だったからこそ、検察が無理筋の事件で逮捕してクーデターに加担したことは明らかだ。

 問題は、日産自動車という日本でも有数の企業にとって、そのクーデターがどういう意味があったのか、どういう結果をもたらすのかだ。直接的な背景はルノーとの統合問題だったようだが、ゴーン氏を追放したところで、今後のルノーとの関係について問題が解決するわけではない。実際、現在も不安定な状況が続いている。

 問題はより根深いところにある。徹底した成果主義をとるゴーン氏のコミットメント経営と、日本人幹部の旧来の企業観との間にはかなりのギャップがあったことが、ゴーン氏の言葉の端々からうかがえる。ゴーン氏は、それを日産が1999年以前の悪い状態に戻ろうとしていると見ていて、数年内に日産の経営は破綻すると予測している。

 一方、日本社会の見方は「ゴーンは、日産をV字回復させて救ったところまでは良かったが、その後の長期政権で独裁となり、経営を私物化し、その結果、日産自動車が危機的な状況となった」というもの。どちらが正しいのか。日産が今後どうなっていくかを見て判断するしかないだろう。

山田 雄大 :東洋経済 記者

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最終更新:1/20(月) 13:00
東洋経済オンライン

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