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ソフトバンクの「ビジョン・ファンド2」が、いまも“視界不良”の状況にある理由

1/21(火) 8:11配信

WIRED.jp

ソフトバンクが記録的とも言える970億ドル(約10兆6,900億円)を投じた「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1」は、2017年の立ち上げ当初、史上最大のプライヴェート・エクイティ・ファンドだった。ところが、市場の独占を目指してスタートアップ1社につき最低でも1億ドル(約110億円)を投資する戦略によって、3年足らずで800億ドル(約8兆8,150億円)以上を“溶かす”結果となった。

ソフトバンクが10億ドル超を投じる「製薬ヴェンチャー」の正体

それでもソフトバンクグループの創業者で会長兼社長の孫正義は、2019年7月に2回目のファンドの計画を発表した。前回よりさらに規模の大きい最大1,080億ドル(約12兆円)規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」だ。ところが、現時点で確定した出資者は、ソフトバンクグループ(380億ドル)のみとなっている。

サウジアラビア政府系の公共投資ファンド(PIF)は、ビジョン・ファンド1の最大の支援者だった。PIFはファンドの成功に賭け、450億ドルを提供した。しかし、出資交渉に近い筋によると、ビジョン・ファンド1が昨年末に89億ドルの損失を計上したことを受け、PIFはいまのところ新たな事業への出資を保留している。

「サウジ側はビジョン1の成功がなければ追加出資はないという姿勢を鮮明にしています」と、ある筋は語る。「MBS(サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子)はマサ(孫正義)に対して、ビジョン1がうまくいくまではビジョン・ファンド2の約束はできないと話しました」

PIFに近い別の筋によると、ソフトバンクのビジョン・ファンド1への投資決定や、資本展開に関する説明が不足していることに「反対する議論」が内部で起きているという。「自分たちが関与するものの中身を理解していなかったのでしょう」と、この情報筋は説明する。そのうえで、孫の投資スタイルを「まず打ち上げて、あとから質問を投げかける」手法であると表現した。

「2回目のファンドに出資すべきかどうか、確認するのでしょう。あのような資本を1社で展開する際に、統制や説明、責任が伴い、必要な要素が揃うかどうかは大きな疑問です」

PIFにコメントを求めたが回答はなかった。一方、ソフトバンクグループの広報担当者は、ビジョン・ファンド2の資金調達は進んでいると説明している。

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最終更新:1/21(火) 8:11
WIRED.jp

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