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マンション大規模修繕の闇、談合まがいの高値-「住民の味方」が役割放棄

1/21(火) 15:02配信

nippon.com

持田 譲二(ニッポンドットコム)

マンション居住者らがこつこつ貯めた多額の積立金を十数年に一度、一戸当たり100万円程度も取り崩して使う大規模修繕。居住者らで作る管理組合は半ば素人集団であることに付け込まれ、関連業者による「談合まがい」の行為で、工事費がつり上げられている問題が表面化している。住民はどう対処したらよいのか。

形ばかりの競争入札

「あれ、これは変だぞ」。国家資格のマンション管理士、重松秀士氏(69)の目が1枚のリストに釘付けになった。それは、神奈川県内のマンションが外壁修理や防水工事などの大規模修繕を手掛けた際の工事業者選定の入札結果一覧表だった。実際に業者選定に関わったのは、マンション管理会社と契約した設計事務所だ。

入札に参加した工事会社は6社。うち5社の入札価格は2億2753万~2億4780万円に収まり、横並びが目立った。1社だけ「当て馬」かのように2億7772万円の高値を提示した。この6社は、設計事務所が業界紙に広告を出して公募しており、競争条件に問題はないはずだった。

しかし、住民を代表する管理組合の顧問だった重松氏は、その道のプロだ。不審に思い業界関係者に尋ねて回ったところ、「この設計事務所と建設6社はたびたび同じ案件に顔を出している」と分かった。業界用語で言う「お仲間」だ。同氏はこの入札を破棄し、今度は設計事務所を関与させずに、全く異なる8社で入札し直した結果、ある建設会社が1億8795万円で落札。幻の1次入札の最低価格よりも4000万円近く安くなった。同氏への報酬を差し引いても、住民は十分得したことになる。

ここに、ある疑問が残った。仮に工事業者が談合しようとしていたのならば、あるデータを入手する必要があった。それは設計事務所が作成する工事予算の「設計価格」。事情に詳しい関係者によると、事実上の入札上限価格と言ってもよく、怪しまれない程度の高値で落札するには欠かせない目安だ。設計価格は設計事務所から工事業者に漏れていたのだろうか。

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最終更新:1/21(火) 15:02
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