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新型フェラーリ ローマの優雅さは懐古主義? 賛否両論のデザインに迫る!

1/21(火) 20:43配信

GQ JAPAN

控えめなラグジュアリー

フェラーリのニューモデル「ローマ」のコンセプトは“ヌオーヴァ・ドルチェ・ヴィータ(新・甘い生活)”だという。

映画好きの人ならご存知のとおり、『ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)』は1960年代のローマを舞台に、上流階級の人々の退廃的な暮らしぶりを描いたフェデリコ・フェリーニ監督の名作。

最初は、そんな映画とフェラーリの華麗なクーペの姿はうまく結びつかなかったけれど、チーフ・マーケティング&コマーシャル・オフィサーであるエンリコ・ガリレラ氏のプレゼンテーションを聞いていると、なんとなくイメージが浮かびあがってきた。

「ローマは特別な場所です。イタリアのライフスタイルを代表する街で、なによりも夢があります」 ガリレラ氏はそう語り始めた。

「時計の針を1960年代に戻してみましょう。ドルチェ・ヴィータは時代を代表する映画です。そこには人生を心から楽しむ人々の姿が描かれていました。そんな時代を現代に蘇らせたら、どうでしょう? たとえばコーヒーやワインをゆったりと楽しむ時間を持つ。そんな風に人生と向き合うライフスタイルとクルマを結びつけてみる。フェラーリが作るからには“ファン・トゥ・ドライブ”は忘れるわけにいきませんが、ここで私たちが提案したいのは“控えめなラグジュアリー”です。デザインも控えめで、特別な日だけでなく毎日乗れるフェラーリ。思い起こしてみれば、1960年代にはそんなエレガントなフェラーリが数多くありました」

この言葉から想像できるのは、ローマは、額に汗してサーキットを走るためのクーペではない、ということ。いや、その気になればかなりのペースでコーナーを駆け抜けるパフォーマンスを有しているはずだが、ローマはそうしたスポーツ性を主題としたフェラーリではない。サーキットも走れるパフォーマンスは、いわば紳士のたしなみのようなもの。それよりも大切なことは、優雅に暮らす人々の毎日にすっと溶け込む美しさとさりげなさをローマが有している点にある。

そうしたコンセプトを念頭に置いてローマのスタイリングをあらためて見ると、違った感慨がわき上がってくる。

全般的にはとてもシンプルだけど、それはクルマのプロポーションがもともと持っている美しさを際立たせるための手法であるように思えてくる。それだけに、ひと目見たときのインパクトは弱いかもしれないが、時間の経過とともにじわじわとその魅力が伝わってくる。“タイムレスな美しさ”といっていいだろう。

では、フェラーリの新作“ローマ”と映画“ドルチェ・ヴィータ”にはどんな結びつきがあるのか? 映画に登場する人々の、ときに常軌を逸した行動は、退屈な暮らしに飽きた金持ちの乱痴気騒ぎとばかりは言い切れないような気がする。

それは“純粋な美しさ”を追求するための、彼らなりの“もがき”もしくは“試み”だったと捉えることはできないだろうか? だとすれば、クーペの純粋な美しさを描き出したローマはドルチェ・ヴィータの現代版と呼ぶのに相応しいとの見方も成り立つ。

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最終更新:1/21(火) 20:43
GQ JAPAN

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