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風変わりな私立探偵が挑むアメリカン・ノワール 「マザーレス・ブルックリン」を採点!

1/21(火) 17:00配信

文春オンライン

〈あらすじ〉

1957年、ニューヨーク。ブルックリンで孤児として育った私立探偵のライオネル・エスログ(エドワード・ノートン)は、トゥレット症候群の発作と強迫性障害に苦しんでいたが、驚異的な観察力と記憶力の持ち主でもあった。ある日、人生の恩人であり唯一の友人でもあるボスのフランク・ミナ(ブルース・ウィリス)が殺害される。同僚たちと捜査を開始したエスログは、巨大な権力を持つ政治家のモーゼス・ランドルフ(アレック・ボールドウィン)が主導する都市開発により、貧しい人々がニューヨークから排除されようとしていることを知る。

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〈解説〉

原作はジョナサン・レセムの同名小説。風変わりな私立探偵が主人公のノワールなサスペンス・ミステリー。俳優エドワード・ノートンの『僕たちのアナ・バナナ』以来19年ぶりとなる監督作。脚本・製作・主演もノートンが務める。144分。

中野翠(コラムニスト)★★★☆☆時代(’50年代)も舞台(NY)も役柄(私立探偵)もキャスティングも魅力的なのに撮り方が悪凝り。30分は短縮できそう。

芝山幹郎(翻訳家)★★★☆☆監督ノートンが、俳優ノートンをいろいろな反射板に投げつけている。ダシを利かせた分、話の速度が落ちたのは惜しい。

斎藤綾子(作家)★★★★★幾重にも交差する隠された秘密が、闇の脅しと欲望を炙り出す。ライオネルの口癖「イフ!」は続く想いを連想させる。

森直人(映画評論家)★★★★☆強い芝居のアンサンブル。表層を一枚剥いだら別の様相が露呈する都市の邪悪な仮面性にも惹かれた。味わいが分厚い。

洞口依子(女優)★★★★☆ノートン的NYノワール。ニューヨーカーなキャスト。都市開発と戦後の坩堝。ドジャースがあった頃の時代考証も巧み。

INFORMATION

「マザーレス・ブルックリン」(米)
新宿ピカデリーほか全国公開中
http://wwws.warnerbros.co.jp/motherlessbrooklyn/index.html

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月23日号

最終更新:1/21(火) 17:00
文春オンライン

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