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目標は「意志の力」で達成できるほど甘くない

1/21(火) 5:55配信

東洋経済オンライン

心理学の世界では、「人が行動を取るうえで重要なのは、個人の意志か、環境による外的要因か」の論争が続いている。
しかし、『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』の著者ベンジャミン・ハーディ氏は明確に「意志力」を否定したうえで、「環境を自分でどう選択するかが重要」と続けます。

■意志力は役に立たない

 意志力は役に立たない――これは科学的に証明がなされた、厳然たる事実だ。では、目標を達成するために打つ手はないのかといわれれば、「環境を、目標達成仕様に変える」という方法が真っ先に挙げられる。

 1928年、北米プロアイスホッケーリーグの王者決定戦スタンレーカップ決勝で前代未聞の事件が発生した。

 ニューヨーク・レンジャーズのゴールキーパーが負傷により退場を余儀なくされたのだが、ベンチに控えのゴールキーパーはいなかった。そこで選手たちは44歳だった監督のレスター・パトリックにゴールキーパーとして出場するよう説得する。本人にその経験はなかったが、彼はゴールキーパーの防具を身に着け、スタンレーカップ史上最年長選手としてプレーした。

 結果はどうだったか。なんとパトリックはわずか1本のゴールを決められただけで、19本のシュートを阻止した。

 パトリックは「キーパーなんてやったことがないから無理だ」とは言わなかった。必要に迫られて立ち上がったのだ。

 例えば、スペイン語をいちばん早く習得するのなら、現地に行ってどっぷりスペインの文化に身を浸すべきだ。単語帳を毎日見るやり方でもいつか習得できるかもしれないが、それではモチベーションは続かない。

 本当の意味で「最適な方法」とは、自分の内なる決意や意志の強さに頼ることではない。目標の外周を防御システムで固めてしまう方法、つまり「目標を確実に達成できる環境」を自分で作り上げるのがベストだ。そんな環境作りには、いくつかのアプローチが存在する。

■必要なのは「強ストレス」と「強回復」

 人間は、2種類の環境を必要としながら進化してきた。「強力なストレス」と「完全なリカバリー」だ。つまり、オンとオフは完全に分ける必要があり、なおかつオンのときは極端なくらい休む間もなく集中し続け、オフではリカバリーに徹する――つまり、それぞれに100%の状態で臨む必要がある。家に仕事を持ち帰っても、生産性は上がるべくもない。

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最終更新:1/21(火) 5:55
東洋経済オンライン

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