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不妊治療で妻とギクシャク…子供がいないのは不幸か?40歳男性の悩み

1/21(火) 8:51配信

週刊SPA!

―[インテリジェンス人生相談]―

“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

妻に負担のかかる不妊治療を続けるべきか?

★相談者★不能者(ペンネーム)会社員 男性 40歳

 私に原因があって現在、妻と不妊治療中です。しかし、妻の身体的負担は相当なもののようです。セックスレスだったこともあって、治療によって子供を授かることにも抵抗があるようです。妻は「私だけが苦しい思いをするのは耐えられない」と治療の中止を口にするようになっています。

 いっそ不妊治療をやめてしまったほうが妻のストレスは解消されると思うのですが、子供をつくるという共通の目標が失われたら、セックスレスなこともあって別なところに亀裂が生じるような気がしています。

 おそらく、周囲の夫婦が子供を授かっても、この先、心の底から祝福できないでしょう。治療を続けるべきかどうか、今から夫婦関係をよくするために何をしたらいいか、アドバイスをいただけたら幸いです。

◆佐藤優の回答

 奥さんが不妊治療に抵抗を覚えるのならば、中止することを視野に入れるといいと思います。まず、現在かかっている医師に今後、妊娠する可能性がどれくらいあるか、医学的見地から助言を求めるといいでしょう。さらにデータをもらって、別の病院でセカンドオピニオンを求めるといいでしょう。

 自由診療なのでお金がかかりますが、不妊治療を継続することと中止することの決断をする過程では、専門家から複数の意見を得たほうがいいと思います。

 いずれにせよ、子を持つということが唯一の価値観ではないということをあなたと奥さんが納得することが、とても重要になります。神学者のカール・バルトがこんなことを言っています。

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 親にならない人もやはり存在するということである。結婚しないとか、あるいは結婚しても子供がないとか、こういうことは実際ありうるのである。

 そういう人はそれを一つの欠陥として感じるし、子供のある人は、子供があるということを感謝すればするほど、子供がない人のことを欠陥として感じるだろう。

 親になるということは人間存在の直接の喜びなのであって、何らかの理由でそれが出来ない人は、子供なしにすますという苦しみを担わなければならない。

 だが、子供がないということは決して不幸ではない。新約聖書の使信の範囲内では、子供を生むということ、つまり、人間の種族そのものを繁殖させなければならないという必然性はもはや存在しないのである。(『キリスト教倫理Ⅱ』155頁)
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 どうしても子供が欲しいということならば、特別養子縁組について検討してみることをお勧めします。厚生労働省のHPから引用しておきます。

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「特別養子縁組」とは、子どもの福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。(中略)養親になることを望むご夫婦の請求に対し、成立の要件を満たす場合に、家庭裁判所の決定を受けることで成立します。
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 特別養子縁組をあっせんする団体に登録して、まず子供の里親に最低半年なって、その後、家庭裁判所の決定を得て子供を特別養子に迎えます。特別養子と実親の戸籍上の親子関係は切れますので、法的には実子と同じ扱いを受けます。

 私の周囲には特別養子を迎えている家庭がいくつかあります。実の子供とまったく変わらずに育っています。ほとんどの人が長期間、不妊治療を受けたが、子供ができる見通しが立たなかったため、特別養子縁組制度を用いて子供を迎えることにしました。

 あなたは今40歳です。若いと思っているでしょうが、今年生まれた子供が現役で大学に進学し、卒業するときにあなたは62歳になっています。そういうことを考えるならば、時間をかけてでも不妊治療を行うか、特別養子の可能性を探るかについて、早く決断したほうがいいと思います。

★今週の教訓……子を持つということが唯一の価値観ではない

―[インテリジェンス人生相談]―

【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

日刊SPA!

最終更新:1/21(火) 8:51
週刊SPA!

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