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【タントやN-VANのウリ!】クルマに大開口部をもたらすセンターピラーレスドアを多くのクルマが採用しない理由とは

1/22(水) 11:42配信

WEB CARTOP

乗り降りのしやすさや荷物の積みやすさが魅力!

 ダイハツ・タントやホンダN-VAN、トヨタ・ポルテなどに採用されている、特徴的なリヤドア構造が、助手席側Bピラーレスのスライドドアだ。 歩道側のリヤドアの開口部を広くして、乗降性をよくするのが目的であり、乗用車の場合は子供を抱いた母親の乗り降りのしやすさ、N-VANのような商用車では、大きな荷物の積みやすさがメリットとなる。

【写真】スーパーハイト軽の代表格であるタントとN-BOX

 たとえば、タントの場合、助手席だけでなく、運転席にもロングスライド機構を設けたことで、ミラクルオープンドアと呼ばれる助手席側Bピラーレスの大開口スライドドアのメリットは一段と高まっている。何しろ、大開口のリヤドアから子供を後席に楽々乗せたあと、車外に出ることなく、運転席に移動できるのだから便利このうえない。クルマに近づくだけでスライドドアが自動オープンするパワースライドドア「ウエルカムオープン機能」と合わせ、とくに雨の日はさらなるありがたみを感じるはずである。

 だとしたら、ボックス型ミニバンなどにも採用したらいいじゃないか、と思えるのだが、助手席側Bピラーレスを用いたクルマは依然、少数派と言っていい。

開口部を大きくすることでボディ剛性の確保が難しくなる

 ライバルメーカー、ライバル車が追従しない理由のひとつが、ボディ剛性の確保が難しいことだといわれている。つまり、助手席側リヤドアまわりの開口部が大きくなり、それなりの補強が必要となり、そのために補強材分、重量が増すのを嫌う、というわけだ。

 そのため、左右の重量差が避けられず、左右の操縦性に差が出る可能性もある。もちろん、そのあたりは、走っていて不自然さがないように、技術的に解決して市販される、とはいえ、たとえばホンダの乗用系に採用されないのは、ホンダの走りへの強いこだわりがあるからだと推測できる。N-VANに思いきってBピラーレススライドドアを採用したのは、走りではなく、商用車=働くクルマとして割り切り、使い勝手を優先したからにほかならない。

 ただし、 Bピラーレススライドドアに過大な期待は禁物でもある。タントのミラクルオープンドアによる助手席側スライドドア開口部幅は1490mmとの記載がカタログにある(N-VANは1580mm!!)。それは、助手席側ロングスライド機構を持つ、BピラーありのホンダN-BOXの600mmを圧倒する数値ではあるものの、具体的には助手席側フロントドアまで開けた数値であり、その上でミラクルオープンドアの開口部幅を最大限に生かすには、助手席を最前端位置にスライドした状態の、日常的な乗降性とはあまり関係のない最大幅ということになる。

 では、助手席と、スライド機構を持つ後席が通常位置(後席スライド最後端位置)にあるとしたらどうなるか。タントの後席の乗降間口はいきなり400mmになり、N-BOXの最大450mmに逆転されてしまうのである(実測値)。

 もちろん、タントの400mmという乗降間口でも十分に広く、乗り降りしやすいのだが(フリード+420mm、ステップワゴンの2列目席350mm)、 Bピラーレススライドドアの最大開口部幅の数値と、実用上の後席乗降間口の幅は、また別の話、ということになる。

 さらに、車体の剛性を司るBピラーがないことで、経年変化による助手席側スライドドアまわりからのガタ、キシミ音なども、開発側としては無視できない商品性にかかわる問題だ。軽自動車やコンパクトカーのサイズだから補強の範囲も少なくて済む(重量増を含めて成立しやすい)とはいえ、開口部がさらに広がる大きなボックス型ミニバンのBピラーレス化は、やはり難しいと言えるのだ。便利そうな機能、装備ながら、追従するクルマが少ないのは、そんな理由があるからだろう。

青山尚暉

最終更新:1/22(水) 18:48
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