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戦犯はバブル世代?日本企業の「チームワーク」が崩壊した原因

1/22(水) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「ながら起業」を提唱する中国人キャリアウーマンの小野りつ子氏が、会社にしがみつき続ける「雇われ人根性」から脱却し、自立した働き方をするための具体策を提案します。※本連載は『ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、改編したものです。

バブル期までは、一致団結して企業に尽くしていた

私は日本の会社でさまざまなカルチャーショックを受けたものの、実際に驚いたことはほとんどありませんでした。なぜなら、中国の国有企業にも同じような制度や慣習が存在していたからです。年功序列や終身雇用は、90年代まで中国ではほとんどが国有企業だったので当たり前でした。

日本は資本主義の国なので、欧米のように若くても実力があればどんどん出世できて、実力のない人はアメリカのようにクビを切られるのかと思っていたのです。実際は、一度正社員になると仕事ができなくても窓際社員扱いになったり、左遷されたりするぐらいなので、やる気や実力のない社員にはとてもありがたい環境だと感じました。

年功序列や終身雇用、定年制度は、高度経済成長期に企業が労働力を確保するために定着させた制度で、当時の時代の産物です。バブル崩壊まではうまく機能していたので、これらの制度自体が悪いわけではないでしょう。

右肩上がりの将来を約束されていたから連日徹夜のような激務でも耐え、上司から理不尽な要求をされても歯を食いしばり、一致団結して企業の発展に尽力してきたのです。ローンを組んでマイホームを買えたのも、長期間働くほど給料が増えていくという前提があったから。結婚して、女性が専業主婦として家庭に入ったのも、夫の収入だけで十分にやっていけたからです。

バブル崩壊後に導入された「成果主義」制度の迷走

それが、バブル崩壊とともに企業は社員の将来を保障できなくなりました。私が日本に移り住んだ頃はリストラの嵐がまだ吹き荒れていて、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が相次いで破綻した時期でした。

バブル崩壊後に導入されるようになったのが、能力や会社への貢献度によって賃金や役職が決まる成果主義制度です。年齢や勤続年数に関係なく、仕事の成果によって昇進・昇給するという仕組みのはずでした。

成果主義を導入する企業が相次ぎ、日本も欧米のような実力主義にシフトしていくのかと思っていたのですが、肝心の「実力や成果」を定義付けしたのは年功序列や終身雇用の恩恵を受けている世代でした。果たしてこの人たちに、自分たちが排除されるような成果主義制度が作り出せるのでしょうか? 結果として、企業を救済する特効薬のはずが毒薬になってしまったのです。

自分の成果を横取りされては困ると上司が部下に仕事を教えなくなり、気に入らない部下の評価は不当に低くしたりして、日本企業の財産でもあったチームワークが崩壊してしまいました。

成果主義はそれまで仕事ができなくても威張り散らしていたベテラン社員たちにとっては脅威です。結局、年功序列や終身雇用が残った成果主義になってしまい、社会主義的な体質は変わらないままでした。純粋な成果主義を諦めたのは、会社が50代以上の高度経済成長期やバブル期に身を粉にして働いてきた世代を切り捨てないための、一種の救済措置のようなものかもしれません。

それ以降、日本の企業はこれといった解決策を見いだせずに、ずっと迷走しているように感じます。年功序列、終身雇用、定年制度は時代にそぐわなくなっているのに、抜本的な改革ができている企業は少ないのではないでしょうか。

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最終更新:1/24(金) 17:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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