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赤字続きのウーバー、インドの料理宅配事業を売却

1/22(水) 12:00配信

JBpress

 米ウーバーテクノロジーズは1月20日、インドのフードデリバリー(料理宅配)事業を地場の同業企業に売却したことを明らかにした。売却先は、米セコイア・キャピタルや中国のアリババ集団などが出資する「ゾマト・メディア」。取引はすべて株式で行った。ウーバーはゾマト・メディア株の9.99%を取得したという。

■ インドのフードデリバリー市場で苦戦

 フードデリバリー事業「ウーバー・イーツ(Uber Eats)」のインドにおける提携レストランや配達スタッフ、顧客はすべてゾマトが引き継ぐ。同日付で移行作業を始めたという。ただし、同国の配車サービス事業は継続するという。

 米ニューヨーク・タイムズによると、ウーバー・イーツは急成長している事業。しかし、ここ最近は、多額の出資を受けたスタートアップ企業が世界のさまざまな市場に登場し、ウーバーのシェアを奪っているという。

 インドの料理宅配市場では、ゾマトと、もう1社の競合である「スウィギー」のシェアが合計で約80%になる。後者は、南アフリカのナスパーズや中国の騰訊控股(テンセント)などが出資しているスタートアップだ。

 また、昨年(2019年)1~9月におけるウーバー・イーツのインド事業は、取扱高が全世界の3%にとどまった。こうした状況を打開すべく、値引きをしたり、配達スタッフにインセンティブを支払ったり、プロモーションを展開したりしていたという。

■ 6四半期連続の赤字

 しかし、これらの施策がウーバーの利益を圧迫する要因になった。ニューヨーク・タイムズは関係者の話として、昨年1~9月におけるウーバー・イーツの営業損失のうち、インド事業の営業損失が25%以上を占めたと、報じている。

 フードデリバリー市場は急成長しているものの、過当競争に陥っており、上位数社しか利益を上げられないと指摘されている。先ごろは米大手のグラブハブが身売りも含めた戦略的選択肢を検討していると報じられた。

 (参考・関連記事)「過当競争が止まらない米国の料理宅配市場 」

 ウーバーの昨年4~6月期の純損益は52億3600万ドルの赤字。業績を確認できる2017年以降で最大の赤字幅だった。また昨年7~9月期の純損益は11億6200万ドルの赤字で、1年前の赤字額9億8600万ドルから拡大。この時点で6四半期連続の赤字となっている。

■ 数々の事業売却・撤退

 こうした中、ウーバーは株主からの圧力を受け、財務状況の改善策を進めている。昨年11月、ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は、フードデリバリー事業では、すべての都市で1位か2位を目指す目標を掲げ、2位に入れない市場からは撤退するか売却を検討するという方針を明らかにした。

 同社はこれまで、いくつかの市場でこうした決断を下している。例えば中国の配車サービス事業を2016年に同国の滴滴出行に売却した。2018年には東南アジアの配車サービス事業を同地域の最大手、グラブに売却。昨年9月は、韓国のフードデリバリー事業から撤退した。先ごろは、南米コロンビアの配車サービス事業から撤退すると伝えられた。

小久保 重信

最終更新:1/22(水) 12:00
JBpress

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