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ANAが「オーストラリア路線」を強化する事情

1/22(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

 国内航空最大手の全日本空輸(ANA)は1月17日、オーストラリアの航空会社「ヴァージン・オーストラリア」と包括提携した。日本とオーストラリアを結ぶ国際線や両国の国内線の共同運航(コードシェア)などで連携する。

【写真】全日本空輸は包括提携したヴァージン・オーストラリアの旅客機

 「あの広大な大陸の各地をカバーして、ますますビジネスが加速することを期待している」

 ANAの藤村修一専務執行役員は、ライバルの日本航空(JAL)が提携相手と大きなシェアを握るオーストラリアへ攻勢をかける強い決意を語った。

■メルボルンやブリスベン路線で共同運航

 提携はまず、1月30日からシドニー発着のメルボルンやブリスベン路線など主要6路線でのコードシェアから始める。

 ANAは2020年春以降、羽田=シドニー路線を現在の週7便から最大週14便へ増便し、ヴァージン・オーストラリアもブリスベン=羽田路線を3月29日に開設する。コードシェアと同時に、両社のフライトで貯まったマイレージに互換性を持たせる提携も予定している。

 ヴァージン・オーストラリアはブリスベン空港を拠点に、同国内39都市、国際線16都市に就航するフルサービスキャリアだ。イギリスの実業家であるリチャード・ブランソン氏率いるヴァージングループの一員として誕生し、旅客キロ(旅客数×輸送距離)の国内線シェアは30.4%。同国最大手のカンタス航空(同37.1%)に次ぐ国内2位だ(数字は2019年6月期)。

 ヴァージン・オーストラリアが開設するブリスベン=羽田路線は、エアバスの中型機A330で週7日の運航。同社の機内サービスには定評があり、世界的な航空格付けサイトから3年連続で世界ベストキャビンクルー賞を受賞している。定時出発率もオーストラリア国内首位を誇っている。

 両社が提携したきっかけは、3月29日から羽田空港の発着枠が混雑時間帯で増枠されることにより、ヴァージン・オーストラリアに日本就航のチャンスが生まれたことだ。ANAの藤村専務は「お互いに協力する1番のチャンス。それぞれの国内線がお互いの国際線を維持するために非常に重要で、1年ほど前から準備をしてきた」と明かす。

 ヴァージン・オーストラリアが日本に就航した場合、ANAとの提携は既定路線だった。というのも、ANAのライバルであるJALがアライアンスパートナーを組むのは、オーストラリア国内線と日本との国際線でシェア1位のカンタス航空だからだ。その提携関係は強固で、JALが加盟する「ワンワールド」のパートナーであるカンタス航空(44%)とカンタス航空傘下であるジェットスター(31.5%)を加えれば、シェアは90%近くに達する(シェアは日本との国際線の提供座席数シェア、2019年3月時点)。シェア10%しかないANAにとって、パートナーなしにオーストラリア路線を攻略できないことは一目瞭然だった。

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最終更新:1/22(水) 5:30
東洋経済オンライン

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