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20世紀から21世紀の快適へ、スマートコミュニティが始まっている vol.4

1/23(木) 8:02配信

Meiji.net

20世紀から21世紀の快適へ、スマートコミュニティが始まっている vol.4

福山 良和(明治大学 総合数理学部 教授)

今年の夏、日本は各地で観測史上最高気温を記録するなどの猛暑となりました。また、いくつもの大型台風の直撃や、記録的な豪雨を記録した地域もありました。実は、こうした“異常気象”は日本だけでなく、世界各地で起きています。その原因と指摘されているのが地球温暖化です。CO2をはじめとした温室効果ガスの排出削減は全世界的な取り組みになっていますが、日本でも低炭素社会を実現するスマートコミュニティ(SC)の実証実験が進んでいます。

◇日本型SCで世界の未来を変える

さらに、SCは、日本企業の世界戦略のうえでも課題を浮き彫りにしています。

20世紀の末頃は世界を席巻していた日本のいくつかの産業は、商品のコモディティ化(一般化)により優位性を失い、近年は凋落傾向にあります。

そこで、単なるすり合わせ技術ではできない商品開発を目指していますが、インフラ輸出は最も期待のかかるところです。

日本が早い時期からSCの実証実験を始めた意図のひとつは、SCを有効な輸出商品と捉えていたからです。

実際、CO2の排出削減が世界的な目標となっている今日では、東南アジアの工業団地などは日本の技術が適用できます。

しかし、日本のSCを売り込むためには、投資対効果を定量的に提示できなくてはなりません。

そのためにも、SCのモデル化は重要です。

実は、SCの売り込みにおいて、先進各国は官民一体となった活動を行っています。

例えば、イギリスなどは民間の企業人が政府機関に一定期間異動し、政府機関の肩書きを持ってプロジェクトを進めます。

日本でも、官民一体となった活動を後押しするためにも、より緻密なSCのモデル化を進めなくてはならないと考えています。

また、SCの世界標準化において、日本がリーダーシップをとることが必要です。

電気的な標準化はIEC(国際電気標準会議)が進めていますが、IECの全投票数69のうち、EUが39をもっています。EUに対抗するためにも、国も含めたオールジャパンで日本の技術が浸透するような標準化が重要であると考えています。

先にも述べましたが、私たちは、いま、社会を再構築するべき過渡期にいると思います。

これを実現するのは次世代です。私たちはもっと知恵を出し、行動を起こし、現状を打ち破り、変えられる次世代を育てていかなくてはいけないと考えています。

一般生活者の皆さんも、省エネや環境問題に対する関心や意識をより高め、それを声や行動で示していただければと思います。

皆さんの声が大きくなれば、国の動きも変わるし、未来も変わっていくと思います。

※取材日:2018年8月

福山 良和(明治大学 総合数理学部 教授)

最終更新:1/23(木) 8:02
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