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阪神の新助っ人ジャスティン・ボーアは「左の長距離砲」のジンクスを破れるか?

1/23(木) 17:05配信

THE DIGEST

 助っ人外国人。それはチームの弱点を最も効率的に補うことができる、即効性のある補強策だ。本コラムでは、昨今の野球界のトレンドを踏まえつつ、2020年シーズンの新外国人選手をピックアップし、注目ポイントと併せて紹介する。今回は、阪神に加入したジャスティン・ボーアだ。

【データ】2011~2019年 新外国人野手(左打者とスイッチヒッター)の成功事例の少なさ

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 イチローを敬愛する大物助っ人が来日する。2017年、メジャーリーグのオールスターでホームランダービーに出場し、あのアーロン・ジャッジと熾烈な砲撃合戦を繰り広げた怪力自慢だ。

【プレースタイル・役割】
 2017年にメジャーで打率.289、25本塁打、83打点、OPS.902を記録した左打ちの巨漢スラッガー。通算92本塁打の長打力は本物で、うち35本はセンターからレフトに放つなど、反対方向にも強い打球を放てるのが強みだ。またパワーのみならず、通算で四球率が11.2%と出塁能力にも長ける。

 一方で、対左投手には引っ張りの傾向が強くなり、自慢のパワーを含めて打力が著しく低下する。ただし、2019年のマイナー(3A)では、46打数ながら打率.391、2本塁打と攻略していた。日本の左腕相手にどれだけ対応できるか見ものである。

 阪神打撃陣の課題は明白だ。昨年、チームの得点と打点は12球団でワースト1位。チーム本塁打数はワースト3位で、長打力を示す指標IsoP(長打率-打率)はワースト1位に沈んでいる。つまり、絶対的に長打が不足しているのだ。ボーアには、打線の核としてチームのパワーツールを底上げし、得点力アップに寄与する働きが求められる。

 守備は一塁専門である。守備範囲は決して広くはないが、投手へのトスの正確性や、送球の捕球能力は意外にも高く、巷で酷評されているほどの悪印象は受けないはずだ。一方で、走力は期待できない。2019年の一塁到達タイムは、数百という選手の中でワースト25位だ。あくまで、打撃でプラスを生むタイプの選手である。

【注目ポイント】
 ズバリ「インサイド」、とりわけ「体に近い高めの速球の対応」だ。打席の右左の違いはあるが、昨年に巨人に所属したビヤヌエバ(現日本ハム)は、このメジャー時代からの課題を克服できなかった。

 ボーアはこれらのゾーンに対し、キャリアハイの2017年は単打は打てていた。しかし、一貫して自慢の長打が生まれ難く、以降のシーズンでは単打も満足には打てていない。外角高めはリーチがある分だけ捌けるが、体に近めのこれらの弱点に対し、どうアジャストするかが鍵となりそうだ。

 また、ここ数年は、左打ちの新外国人野手の成功事例が極めて少ない。主力として来日から2年以上継続して活躍できた選手は、元楽天のカルロス・ペゲーロただ一人だ。ボーアがこの負のジンクスを打ち破る助っ人になり得るのか注目したい。

文●NPB外国人選手好きのtweet (@cpmmaff)

【著者プロフィール】
1992年生まれ。外国人選手をターゲットにしたアマチュアスカウティングが趣味の社会人。NPBで輝くことができる候補の発掘や、新外国人選手の分析等、ツイッターで情報発信を続けている。英語力は0。

最終更新:1/23(木) 17:05
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