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相続人を廃除できる…侮れない「遺言書の効力」3ポイント

1/23(木) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

誰しもが考えなくてはならない、相続問題。大切な遺産の受け継ぎが「争続」にならないよう、事前に知識をつけておくことが大切です。本連載は、円満相続を応援する税理士の会の著書、『ゼロからわかる相続と税金対策入門』(あさ出版)より一部を抜粋し、改正相続法に対応した相続対策をご紹介します。

相続のシーンで超強力な効力を持つ「遺言書」

相続において遺言書があれば、まず遺言書を優先します。遺言書は故人が築いてきた財産の分配を示すものであり、故人の最終意思そのものといってもよいでしょう。だからこそ、遺言書が最も大きな力を持っているのです。

しかし、すべての相続が遺言書どおりに進むとは限りません。遺言書を作成した時期によっては遺言書に記載のない財産が大きなウエートを占める状態になっていたり、遺言書に記載のある財産が誰かの手に渡っていたり、自筆証書遺言では、記載モレやミスもあり得ます。

さらに債務があるような場合、その扱いを明確に記載していないケースもあり得ます。ですから、まず、遺言書にはどのような「効力」が認められているかを理解しておくことが大切です。遺言書の効力は3つに大別できます。

(1) 「財産の何割を誰に相続させるか」を指定できる

まず1つ目の効力は、財産の分け方の指定ができるということです。また、その指定については、遺産分割方法の指定、相続分の指定、財産の遺贈先の指定などがあります。

●遺産分割方法の指定

遺産分割方法の指定については、どの財産を、誰に、どのくらい相続させるかを決めることができます。財産を1つずつ挙げていき、それを誰に相続させるかを指定するということになります。

分割することだけでなく、「財産の全部、あるいは一部の分割を禁止する」というスタイルでいわば分割させない指定をすることも可能です。たとえば家族経営している事業所で、すぐに株を分割せず、しばらく共有財産の状態で営業してもらいたいといった場合などのケースに用いられます。

また、遺産の分割の禁止は、相続の開始日から5年以内の期間で可能です。

●相続分の指定

相続分の指定は、誰に、相続財産をどれだけ相続させるかという割合を指定することです。

この相続分の指定は、財産を誰に渡すかを指定する「遺産分割方法の指定」とは異なります。これは「財産の何割を誰に相続させるか」という、財産の配分割合を指定することです。

●財産の遺贈先の指定

最後に財産の遺贈先の指定についてです。遺贈とは、相続人以外の人も含めて特定の財産を渡すことで、相手の承諾を要しない点などが贈与とは異なります。原則的には、財産は法定相続人に相続されるのですが、遺贈という方法を用いれば、相続人以外の人に財産を渡すことが可能です。

(2) 相続人の「廃除」も「認知」も遺言書で可能!

2つ目の効力は、相続人の廃除や認知ができるということです。具体的には廃除する相続人を指定できるほか、非嫡出子の認知もできます。

相続人の廃除とは、財産を渡したくない相続人がいる場合、その人物を名指しして相続の権利を剥奪することです。 ただし、相続人の廃除は「生前、自分に対してひどい虐待や侮辱行為を行っていた」「著しい非行があった」など、民法に定められている廃除事由に該当した場合にのみ認められます。

非嫡出子の認知とは、故人にいわゆる隠し子がいた際に、その子を法定相続人に加えることができるというものです。

原則として法定相続人は婚姻関係にあった配偶者との間に生まれた子のみで、婚姻関係がない配偶者との間に生まれた子は、認知がない場合は法定相続人になることができません。ただし、遺言書によって認知すれば、法定相続人に加えることができるのです。

(3) 法的手続きをする人も指定できる

3つ目の効力は遺言内容の実現に関わる協力者や、未成年者の財産管理に関わる法定代理人の指定ができることです。実際の相続ではさまざまな手続きが必要ですが、その相続手続きを行ってくれる遺言執行者を指定できるわけです。

また、遺言者が亡くなって親権者がいなくなり、未成年の子が相続人となるような場合には、その財産管理などを任せる、未成年後見人を指定することも可能です。

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最終更新:1/23(木) 23:57
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