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老老介護という牢獄…心が壊れた母、床に転がる「認知症の父」

1/23(木) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

多くの中高年が直面する「親の介護」問題。老人ホームへの入居に抵抗を持つ人も多く、「親の面倒は子どもが見るべき」と親族一同考えがちだ。しかし、フリーライターの吉田潮氏は、著書『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)にて、「私は在宅介護をしません。一切いたしません」と断言する。親孝行か、自己犠牲か。本連載では、吉田氏の介護録を追い、親の介護とどう向き合っていくべきか、語っていく。

「認知症の父の介護」に忙殺された母は…

母の鬱屈は2018年1月末、思わぬ形で爆発することになる。ある日曜日、父と母が車で外出した。母が運転し、うどん屋へ行ったという。父も歩けそうだったので、車椅子を持っていかなかったらしい。もう、その時点で間違っている。

案の定、うどんを食べた後、父はどうにもこうにも動けなくなった。足が動かないのだ。日曜日のお昼時、家族連れで混雑するうどん屋で母は焦(あせ)った。自力で動こうとしない父にブチ切れながらも、無理やり歩かせて車に戻ったそうだ。

が、父は自宅の駐車場で車を降りた途端に転倒し、頭を強打した。この段階で母から電話をもらったのだが、私は非情にも「たんこぶができて腫(は)れてるなら、大丈夫じゃない? 冷やしておけば」とあしらった。いつものことだと思ってしまった。

一方、姉は「頭打って、そのまま夜に死ぬ可能性もあるから、今すぐ病院へ行け!」と言ったようだ。母は慌てて救急車を呼び、病院へ。が、検査したものの異常はなかったので、タクシーで帰宅した。

ところが、マスクもせずに病院に長時間いたものだから、父はまんまとインフルエンザに感染してしまったのである。1月の病院なんて、インフルエンザも風邪も含めて、ありとあらゆるウイルスが蔓延している場所だというのに! とはいえ、有事の際だったので、母の無知と無謀を責めても仕方ない。翌日、父は高熱で顔が真っ赤になり、手足も動かず、一瞬寝たきりの状態になってしまったのだ。

母は娘2人が力になってくれないとわかっていたので、ケアマネさんにSOSの電話を入れた。このケアマネさんが本当に素晴らしい方で、家に駆けつけて、救急車を呼び、おまけにベランダの洗濯モノまで取り込んでくれたという。

おかげで、父は点滴を受けて、大事に至らずに済んだのだった。ケアマネさんの迅速な対応と尽力によって、父の熱はすぐに引いた。

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最終更新:1/31(金) 10:21
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