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ステージⅣの「肝臓がん」から生還した患者と、その主治医の全告白

1/23(木) 9:01配信

現代ビジネス

ステージⅣのがん患者たちを救うサイバーナイフ手術

 米国が敵の弾道ミサイルを迎撃するために開発した巡航ミサイルトマホーク。

 このトマホークに搭載されている、標的自動追尾システムの技術を医療に応用した「サイバーナイフ治療」が、いま多くの難治がんの患者の命を救っているということをご存じだろうか。

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 小田急線新百合ヶ丘駅南口、バスターミナル3番乗り場から、新百合ヶ丘総合病院行きの直通バスに乗り約5分。病院の外門の急坂を上り詰めると、RC造り焦げ茶色の地下2階、地上6階建ての新百合ヶ丘総合病院の玄関に出る。川崎市の西北端に位置し、周囲にはなだらかな多摩丘陵の緑豊かでのどかな光景が広がる。

 平成24年8月1日に開設され、病院の延べ面積は3万3251㎡、ベッド数377床、40科目の診療科を持ち、医師120人、看護師370人、外来患者1日約1000人、手術件数は年間6000件を超す。高津区、宮前区、多摩区、麻生区の4区で構成する川崎市北部医療圏(人口約78万人)の拠点病院だ。

 「病院の開設以来7年間に治療した患者さんは8000人を超えています。頭頚部がんから咽頭がん、肺がん、前立腺がん、肝がんなど体の上から下までサイバーナイフで治療していますが、ほとんどが外科で言うステージⅣの難治がんの患者さんです」

 こう話すのはサイバーナイフ治療の名手として、欧米でも広くその名を知られた宮崎紳一郎・放射線治療科サイバーナイフ治療部長だ。

 宮崎医師はサイバーナイフ手術で数多くの難治がん患者たちを救ってきた。

 大内利修氏(61歳)は、転移再発したステージⅣの肝臓がんから宮崎医師のサイバーナイフ治療で生還した一人だ。

「通院」で難治がんを治療する画期的方法

 しかも大内氏の場合、肝臓だけではなく、ペット検査で見つかった肺の上層部にあった胸腺がんとのふたつのがんの治療を受けながら現場復帰を果たしているのだ。

 宮崎医師が大内氏の当時の病状をこう説明する。

 「再発した肝臓がんは手術後の再発でしたが、リンパ節近くに残された腫瘍が大きくなったもので、肝臓の内部にある肝門部リンパ節に転移したステージⅣの腫瘍でした。さらに、ペット検査で左の肺の上層部にあった胸腺がんは、患者数が少なく手術症例も少ない治療の難しい希少がんなんです」

 宮崎医師はペットで撮影した写真を見ながら大内さんにふたつの腫瘍の説明をし、治療の進め方をこう話した。

 「ふたつの腫瘍ともサイバーナイフで治療します。まず胸腺がんの治療を行った後、続いて肝臓がんの治療をやりましょう。仕事は休まなくても大丈夫。ふたつの治療とも通院で十分できます」。

 ステージⅣの難治がんの治療を通院治療でこなせるのか。宮崎医師の言葉にも半信半疑の大内さんだったが、頷き頼るほかなかったという。

 もともとサイバーナイフ治療は米国スタンフォード大学脳神経外科のアドラー教授によって、1994年に開発された放射線治療のひとつだ。

 最近のがん治療はリニアック(直線加速器)、脳腫瘍の治療に行われるガンマナイフと呼ばれる定位放射線治療など、高精度の放射線治療が開発されている。いずれも病巣を的確に捉え、複数の方向から病巣にピンポイントで放射線を照射するものだ。

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最終更新:1/23(木) 9:01
現代ビジネス

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