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落合陽一×杉山 央(森ビル)「日本の強みは『空間設計』と『盆栽感』」【後編】

1/23(木) 6:00配信

週プレNEWS

大手ディベロッパーの森ビルと、世界で活躍するアートコレクティブ・チームラボの異業種連携によって、2018年6月に東京・お台場にオープンした「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(以下、チームラボボーダレス)は、今も入場待ちが生じるほどの人気スポットとなった。

【画像】筑波大学「コンテンツ応用論」の講義風景

2019年8月には米TIME誌の「World's Greatest Places 2019(世界で最も素晴らしい場所 2019年度版)」にも選出されるなど、早くも日本の新しい名所として認知されている。

このチームラボボーダレスの企画運営室室長を務める森ビルの杉山 央(すぎやま・おう)は、学生時代から都市、アート、テクノロジーの3分野が重なる表現の魅力にとりつかれていた。やがて森ビルに就職し、都市そのもののデザインを構想する側に回り、世界にも前例のない美術館を作り上げる――そんな杉山の発想の源泉が明らかにされた前編記事に続き、後編では落合陽一(おちあい・よういち)と杉山が「テクノロジーとアート」「都市とアート」の未来について語り合う。

* * *

杉山 それから、これは特に若い人たちに耳を傾けてもらいたいのですが、僕はメディアアートや、AIも含めたテクノロジーを用いた表現領域こそ、今後日本人に勝機がある分野ではないかという仮説を持っています。

平面的な表現が優位だった時代が長く続いてきましたが、その分野では例えばハリウッドがあるアメリカには結局勝てなかった。けれども近年、デジタルのクリエイションの幅が平面的なモニターの限界を飛び越えて、空間、実社会にまで広がってきています。チームラボもまさに空間を使って表現していますよね。

こうなると日本にとってはチャンスです。というのも、世界的に活躍する建築家を多数輩出していることからもわかるように、日本人って昔から、間のとり方や自然と人工の調和のさせ方など、空間設計の能力が秀でていると思うんですね。その長い歴史があるから、ARのようなコンテンツの素材となるコンテクストも豊富ですしね。



落合 カンバススケールや映像スケールより大きくて、建築スケールより小さい領域も日本人は得意だと思います。

小さい住居を基本とした文化に付随するようなスケール感。箱庭と茶室。つまり、インスタレーションや身体性のあるアート。さらには茶碗とか壺とか、もっと小さいスケールもいけます。僕は作品を制作するときに、よく「盆栽感のあるアート」とか「盆栽感マシマシで」とか、そういう尺度で構想します。

ただ、僕が思う問題点は、アートってパチモノが出てくると価値が棄損されるじゃないですか。テクノロジーを使うメディアアートのパクりやすさは、今後この分野がメインストリームになっていけばいくほど無視できない問題になると思うのですが。

杉山 そうなると、有名になって突き抜けたり、ブランドになることが勝利だと思いますね。似たようなものが出たとしても、「チームラボっぽいね」って言われたら勝ちでしょう? 例えば、ルイ・ヴィトンの偽物を持っていることが恥ずかしいと思う人がいれば、本物の価値がさらに高まる、というような。

落合 なるほど。

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最終更新:1/23(木) 6:00
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