ここから本文です

箱根駅伝・青学の体幹トレ 体内部の筋肉にスイッチ

1/24(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

2020年1月の箱根駅伝では、青山学院大学が圧倒的な強さを見せ、総合優勝を果たした。そこで改めて注目されているのが、2014年から青学駅伝チームのフィジカル強化指導を担当している中野ジェームズ修一さんが、青学選手のメニューとして重視している「体幹トレーニング」だ。

■5回目の優勝を支えた「体幹トレーニング」

2015年から箱根駅伝4連覇を遂げていた青山学院大学は、2019年こそ東海大学に敗れはしたものの、2020年は見事その雪辱を晴らし、大会新記録のタイムで2年ぶり5回目の総合優勝を果たした。

1月2日の往路を3年ぶりに制した青学は、翌日は2位の国学院大学から1分33秒差で復路をスタートし、一度もトップを譲ることなくゴールテープを切った。

この青学駅伝チームのフィジカル強化指導を担当しているのが、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんだ。中野さんが選手のトレーニングとして特に重視しているのが、近年、よく話題になっている「体幹トレーニング」だ。中野さんには『世界一効く体幹トレーニング』という著書もある。

「体幹の内部の『インナーユニット』の筋肉をうまく使って走れるようになると、体の上下左右の揺れがなくなり、エネルギーのロスが少なくなるんです。いつも終盤になってバテていた長距離ランナーが、体幹トレーニングを取り入れることによって、ペースを落とさずに走り切れるようになった例が多くあります」(中野さん)

ところで、この「体幹」が、体のどの部位を指すのか、正確に理解している人はどれだけいるだろうか。解剖学的には、全身から頭部と四肢を除いた部分、つまり内臓が詰まった胴体ということになる。しかし、スポーツや日常の運動機能面の重要性から見ると、およそ肋骨下から股関節までを指していると言っていい。

「体幹というと、おなかの部分だけが注目される傾向があります。ですが、体幹トレーニングは、おなかを凹ますメソッドではありません。インナーユニットをうまく、巧みに使えるようにすることが本来の目的です」(中野さん)

インナーユニットとは、胴体の深部にある筋肉群のことで、横隔膜、腹横筋、多裂筋、そして骨盤底筋群で構成されている。それに対し、胴体の表層に近い部分にある筋肉群のことを、アウターユニットと呼び、腹直筋、腹斜筋群、広背筋によって構成されている。

「走るときに意識するべきなのは、おなかの正面にある腹直筋などのアウターユニットではありません。深部にあるインナーユニットなのです。大まかに言うと、直立した姿勢を保つ役割を果たしている筋肉です。インナーユニットをうまく使えるようになると、走るときに体がブレなくなります」(中野さん)

体幹を鍛えるためには、まず重要度が高い体の奥深くにある筋肉から始め、順に付帯する外側の部位を強化していく。「順番を間違えて、先に外側の筋肉を鍛えてしまうと、内部の筋肉を使うためのエクササイズでも、外側の筋肉を使ってしまうので、目的とする競技能力の向上にはつながらないことが多いんです」(中野さん)

ただし、インナーユニットを「鍛える」といっても、筋トレのように筋肉を大きくすることが目的ではない。うまく使えていなかった筋肉にスイッチを入れることが目的だ。つまり、インナーユニットの使い方を覚える「スキルのトレーニング」なのだ。

それではここで、青学の選手もやっているインナーユニットのエクササイズを3つ紹介しよう。どれも基本的なものなので、一般のランナーにもお勧めだ。ランニングフォームの改善に役立ててもらいたい。

1/2ページ

最終更新:1/24(金) 7:47
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事