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糖尿病の治療薬(1)注射薬

1/24(金) 14:11配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

糖尿病治療薬にはどんなものがあるのか〈注射薬編〉

■ 進化する糖尿病治療薬
 近年、2型糖尿病治療の発展は目覚ましく、以前は血糖値に関係なく膵(すい)臓からインスリンを分泌させる、低血糖を起こしやすい薬剤が主流となっていました。しかし、現在では血糖値が高いときにのみインスリン分泌を促進したり、効果が発揮される、低血糖になりにくい薬剤が主流となっています。

 そこで糖尿病治療薬について、新しい作用機序であるGLP-1受容体作動薬(注射薬)、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬(内服薬)を含め、2回にわたり特徴を紹介していきます。第1回目である今回は、注射薬をご紹介します。


■ 注射薬にはどのような薬があるの?
 現在、日本で注射薬の糖尿病治療薬はGLP-1受容体作動薬とインスリン製剤が発売されています。まずGLP-1受容体作動薬という薬は、膵臓からインスリンを分泌を促進し、グルカゴン(血糖値を上昇させるホルモン)の分泌を抑える作用をもちます。血糖降下作用は、血糖値に依存しており、血糖値が高いときにはきちんと効果を発現させることができますが、低いときには効果が発揮できないという面白い薬です。そのため単独使用の場合には低血糖になりにくいのが特徴です。1週間に1回のみの製剤も発売されています。

 インスリン製剤は、1型糖尿病患者さんやコントロール不良の2型糖尿病患者さんに使われています。現在の2型糖尿病の治療方針ではコントロール不良の場合には、なるべく早い時期にインスリン製剤を使用することで合併症の発症や進展を抑制することができるとされています。このことが生活の質(QOL)を落とすことなく治療を継続させる要因となります。

 しかし、インスリン療法に対して良くないイメージを持たれている方の中には、「インスリンを使い始めると一生ものだ!!」と導入を拒む患者さんも多くいらっしゃいます。実際は、インスリン分泌能が保たれていて、血糖値がうまくコントロールされていれば、インスリン療法を離脱できる可能性もあります。

 そのためにわたしたち薬剤師は、患者さんの生活パターンを把握し、薬のことを理解してもらえるよう努めることで、皆さんの目標達成に少しでもご協力できればと思っています。疑問に思うことがあれば、ぜひ身近な薬剤師にご相談ください。

 次回は、内服薬についてお話ししたいと思います。


東北医科薬科大学若林病院 薬剤部 副薬剤師長
佐藤伸輔

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2019年1月号』「お薬との上手な付き合い方」より

最終更新:1/24(金) 14:11
月刊糖尿病ライフ さかえ

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