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「世界最古の物語」が、4万年以上も前の壁画に記録されていた

1/24(金) 8:11配信

WIRED.jp

物語の共有は人間特有の行動である。この記事を読んでいるあなたは、まさにそのなかに加わっている。

【画像】4万年以上も前の壁画をもっとみる

人類が物語を共有し始めたのはいつなのか。実用的な概念や単純な意見を伝え合うだけでなく、いつごろから言語能力を進化させて、現実または空想の出来事を生き生きと描写して共有し始めたのか。それらの時期を断定することはできない。

だが、43,900年前にインドネシアのスラウェシ島の住民は、すでに物語の一部を洞窟の壁に描き始めていた。

スラウェシ島南部の人里離れた洞窟で、狩猟の様子が描かれた壁画が新たに発見された。これは記録として残っている世界最古の物語である。オーストラリアのグリフィス大学の考古学者マキシム・オーベールが率いる調査チームの推測が正しければ、今回発見された壁画は宗教信仰を示す世界最古の記録であり、どのような意図で壁画が描かれたのかを理解する糸口となる可能性がある。

狩猟の様子を描写

スラウェシ島南部の「レアン・ブルシポン4」と呼ばれる洞窟の上部にあるアクセスしづらい空間の岩壁で、このほど壁画が発見された。イノシシやスラウェシ島固有種の水牛「アノア」が異様に小さい猟師の一団と対峙している様子が、全長4.5mにわたって暗赤色のみで描かれている。

この壁画の左端に添えられた暗赤色の手形のステンシルは、古代の芸術家のサインのようにも見える。この洞窟の北東部にある入り口から差し込む太陽の光が、床上3mの高さに描かれた壁画を照らす。

レアン・ブルシポン4は生きた洞窟であり、いまでも洞窟内を流れる水によって形が変化し続けている。壁画のところどころを新たに形成された岩層が覆っており、この岩層を形成する鉱物には微量のウランが含まれている。

時間の経過とともにウランは崩壊し、トリウム230が形成される。水溶性のウランとは異なりトリウムは不溶性なので、崩壊しない限り岩石に取り込まれない。考古学者は、岩石中のウラン234とトリウム230の比率を測定することで、壁画の上を覆う岩層が形成された年代を測定できる。

レアン・ブルシポン4の狩猟壁画を覆う堆積物は、少なくとも49,300年の間、ゆっくりと成長してきた。つまり、壁画自体は49,300年よりも古い可能性がある。したがって、この壁画は記録された(既知の)最古の物語になる。

一見したところ、人々が隠れていた動物を追い立て、槍やその他の武器を持った猟師が一列に並んで待っている場所に追いやる狩猟の様子を描いているようだ。オーベールら調査チームの判断が正しいなら、44,000年前に島の住民の生業を誰かが記録したということになる。

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最終更新:1/24(金) 8:11
WIRED.jp

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