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絶対王者アマゾン、努力や根性に頼らず重視した「14の基準」

1/24(金) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

あなたは、アマゾンという企業をどのくらいご存じだろうか? 日本でのサービス開始当初「世界最大のオンライン書店」と称されていたアマゾンは、わずか20年弱で「GAFA」と呼ばれる4大IT企業の一角にまで発展した。その驚くべきビジネス戦略や如何に。アマゾンジャパン元経営会議メンバーで現在は、kenhoshi & Companyの代表としてコンサルティングを手掛ける星健一氏の著書『amazonの絶対思考』(扶桑社)より一部を抜粋し、「内側から見たアマゾン」を解説する。

アマゾンの「顧客中心主義」を支える「コア」は何か

過去の連載では、アマゾンのビジネスモデル、アマゾンプライムプログラムや楽天市場と比較した場合の強みなどの分析を通してアマゾンの「絶対思考」はどのようなものなのかを解説してきた。ぜひ、詳しいことは拙書『 amazonの絶対思考 』(扶桑社)を読んでいただければありがたい。

今記事より連載して、顧客中心主義を徹底的に追求し、ビジネスモデルを作り上げ強みに変えていく人材を、どのように獲得し育成していくかを解説していく。かなり多くの点で読者の皆さんの参考になり、取り入れていただけるのではないかと思う。今回は、その人材採用と開発のベースにもなっている、アマゾンの行動規範でもあり企業文化の骨幹でもある「リーダーシップ・プリンシプル」に目を向けたい。

アマゾンには独特のカルチャーがある。旧態的な企業にありがちな「努力と根性」重視ではまったく通用しない。

データをとことん分析し、オポチュニティー(機会、好機)を探し出し、システムや仕組みのイノベーションによって自動化、効率化を進め、何ごとにもスケーラビリティ(拡張性があり大規模にしてもコストが規模に比例して増えないこと)を求められるのが、アマゾンの「普通の基準」。雇用する人材、そして既存の社員にもそうしたカルチャーへの理解と実践が求められるのだ。

◆「コア」となる規範「リーダーシップ・プリンシプル」

アマゾンで働く人たちは、世界中で「アマゾニアン」と自称している。私が入社した当時、アマゾンジャパンの社員数は数百人だったが、今では7000人規模※1になっている。さらに世界では約65万人の正社員※2がアマゾンで働いている。

※1…2018年5月22日 日本経済新聞―アマゾン、国内で1000人新規採用 オフィスも拡張 事業拡大に対応

※2…Statista―Number of Amazon.com employees from 2007 to 2018

日本はもちろん、世界中で急成長している拠点ばかりなので、新しく入ってくる人材に世界規模で事業を展開する企業としてのベクトルとカルチャーを共有する。そしてそれを維持するために「コア」となる規範が必要だ。

それが「Leadership Principles」(リーダーシップ・プリンシプル)である。アマゾン社内では「Our Leadership Principles」、略してOLPと呼ばれている。

プリンシプル(Principles)は直訳すると「原則」である。リーダーシップ(Leadership)は「指導者としての立場」や「統率力」を意味するが、特にマネージャー、管理職などに限定した規範ではなく、全社員に対してアマゾニアンは「全員がリーダーであるべし」と示す14項目だ。

リーダーシップ・プリンシプルの原型は、2001年にジェフ・ベゾスが提言した11項目の「リーダーシップ・バリュー」である。それから10年後の2011年、アマゾンが世界に拡大していく中で、世界共通のリーダーシップの「基準」として再考し定められたのが現在のリーダーシップ・プリンシプルである。

リーダーシップ・プリンシプルの意義について、次のように英文で示されている。

〝We use our Leadership Principles every day, whether we're discussing ideas for new projects or deciding on the best approach to solving a problem. It is just one of the things that makes Amazon peculiar. 〟

「新しいプロジェクトのアイデアを議論する場合も、問題解決のアプローチを決定する場合も、私たちは毎日リーダーシップ・プリンシプルを使う。それはアマゾンの独自性を支えているものの一つである」といった意味になる。

行動規範とはいえ、14項目にはシンプルなワードが並んでいる。アマゾンジャパンでは英語のまま理解するよう求め、社員に向けて翻訳はしていない。ただし、各項目に添えられた説明文部分は翻訳し、人材採用の情報サイトなどでも公開している。

まずは、原文のリーダーシップ・プリンシプルと、アマゾンジャパンが公式に示している説明文の日本語訳を列記しておこう。また、通常、それぞれに番号は付けないが読み進める上でわかりやすいので、本記事では番号を付けさせていただく。

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最終更新:1/24(金) 8:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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