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人民元の騰勢~2020年はアジア債券市場の節目の年に~

1/24(金) 18:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも「こんな情報が欲しかった!」と評判のピクテ投信投資顧問株式会社のマーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

中国人民元の回復は、アジアのその他の通貨の押し上げ要因となり、債券投資家に貴重なリターンの源泉を提供すると考えます。

2020年は、アジアの債券市場にとって節目の年となりつつあります。

アジアの域内貿易が拡大し、金融上の繋がりが深まるにつれて、域内各国は、米国から中国と人民元に軸足を移していくと見ています。

「人民元ブロック」として認知されてきた中国を中心とする通貨圏は、2020年中にユーロを追い抜き、米ドルに次ぐ世界2位の通貨圏になる態勢を整えています。

このような状況は、貿易戦争で被った影響を排除するために2019年の大半を費やした人民元とアジアのその他通貨が、2020年以降、勢いを取り戻す助けとなるはずです。

このことは、現地通貨建てアジア債券に資金を投じる投資家にとって極めて重要です。過去のデータを見ると、通貨の上昇は、現地通貨建て新興国債券のリターンの主な源泉としてトータルリターンの25%前後を占めてきたからです※。

※出所:JP Morgan GBI-EM グローバル・ディバーシファイド・コンポジット指数、期間:2001年12月31日~2019年11月30日

運命共同体

アジア通貨危機後の20年間、域内各国は経済、貿易、金融のいずれの面においても、従来以上に緊密な関係を築いてきました。

アジア各国のモノの貿易の60%、また、直接投資(FDI)の59%が域内で行われています。更に、アジアのスタートアップ投資の3分の2以上が、域内に拠点を置く企業を対象に実行されています。

このような状況が、アジアの基軸通貨としての人民元の地位を強化してきたのです。

アジアの新興国は、中国に対する純輸出国として積み上げてきた人民元預金を使って、人民元建て決済を増やし続けています。また、その多くが、1997年のアジア通貨危機後に創設されたチェンマイ・イニシアチブ等の協定に人民元を加えることを検討しており、これが現実となれば、各国の米ドル依存度は、一段と低下することが予想されます。

通貨回帰モデルを使ったピクテの試算は、アジア通貨の変動の19%が人民元の変動に起因することを示唆していますが、2006年時点ではこのような関係は認められませんでした。

韓国ウォンは人民元の変動の影響を最も大きく受けており、ピクテの分析は、ウォンの変動の40%以上が人民元で説明されることを示しています。

ピクテの分析が示しているのは、「人民元ブロック」が既に世界のGDP(国内総生産)の24.8%を占め、ユーロ圏の25.6%に迫っているということです(図表1)。

人民元ブロックの拡大がこれまで通りのペースで続くとすれば、人民元ブロックがユーロ・ブロックを追い抜き、世界第2位の通貨圏となるのは、時間の問題です。

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最終更新:1/24(金) 18:00
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