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輝き増す中川翔子、2020年は「歌って、描いて、子供たちの声をもっと聞きたい」<後編>

1/24(金) 7:15配信

ザテレビジョン

歌手、声優、イラストレーターと、さまざまな顔を持つ中川翔子。昨年は約5年ぶりとなるニューアルバム『RGB ~True Color~』のリリース、自身の経験をもとに執筆した著書「『死ぬんじゃねーぞ!!』いじめられている君はゼッタイ悪くない」の出版など、例年に増してアクティブな1年だったことは間違いない。2020年、あふれんばかりの夢と希望に満ち、輝きを増す中川に、2019年を振り返りながらいま、思うことを聞いた。後編は、自著出版、改めてハマった油絵、そして2020年に挑戦したい事について。

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■ 子供たちを通じて出合った、最近のハマりもの

そういえば、最近油絵にハマっています。とある高校の子たちと過ごす番組に呼んでもらったのがきっかけだったんですけど。

以前個展を開いた際にも油絵を描いたんですが、忙しいとできないなって思っちゃっていて。でもその学校でアラ・プリマ技法というものを知ってから、意外と1日でも描けたりできるんだと。それで帰ってからも、キャンバスをいっぱい買って。油絵ってすごく楽しいし、残るのもいいんですよね。本気で残そうと思ったら数百年残るというところも尊い。

そしてその高校のみんなは、ちょっとでも時間があったらすぐ絵を描いて、褒め合うんですよ。なんて素晴らしいんだろう!と。私自身も、改めて絵を描くことが大好きだなと実感した出来事でした。

――数百年残るって、確かにすごいことです。

先ほどもお話しましたが、夏に父が描き残していた歌詞や絵がいっぱい出てきたんですよ。そのとき原画があるって素晴らしいな、と感じたのもありますね。私が9歳のころに32歳で亡くなったんですけど、もしその時代にタブレットがあったら父も使っていただろうけど、なかったからこそ残っているし、原画が残った方が“生きた証感”があるなと。

父の絵には猫や空がいっぱい描いてあって。それにも影響されてアルバムのジャケットを描いたり、いっぱい原画を残すために絵をたくさん描きました。そういうモードに火がついたのも有り難たかった。いつかまた、個展も開けたらいいですね。

――アルバムでは、自身で描かれた3パターンのジャケットも話題になりましたね。

幼少期、思春期、現在・未来と、3種類描いたんですが、思春期が一番早く描けたんですよ。自分の思春期を頭の中にイメージしましたがそのころの写真がほとんどなくて、難しかったはずなのに。数年前だったら『あのころなんか抹消したい!』ってなっていただろうし、それも今だからできたんだと思います。

■ 著書『死ぬんじゃねーぞ!!』の出版で気がついたこと

――2019年に出版した著書『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』でも、イラストを描かれていますね。

いじめがテーマの本です。漫画を交えつつ、気持ちを形にして出版できたことは大きかったですね。『大人になったからこそできたこと』の一つとしても。

ずっと中学時代の『なんでこんな目にあうんだろう』とか、学校でカーストが下がったら『どうせ私は』って思い込むクセを、18歳くらいまで引きずっていたんです。いまよりずっとネガティブで『あぁ、私は人に嫌われる』って勝手に決めつけちゃうみたいな。

なので20代の半ばくらいまでずっと、中学時代は人生においていらない時間だし、抹消したいと思っていたんです。そういえば、成人式の時に知り合いとハタチ記念に地元の母校を巡ってみたんですが、中学校だけたどり着けなかったんですよ。よっぽど嫌だったのかなって。

――いまはそれが変わってきた?

でも大人になってみると、そのころに見つけた『好きなこと』が未来を助けてくれていたんです。しんどさから逃げるために読んでいた本や、絵を描くこと、漫画を模写したり、ゲームをしたり、映画を見たり。そのときの衝撃や記憶って、大人になってから吸収することと比べられないくらい、入り方が違うんですよね。だから人生を作ってくれたものたちに出合った濃い時期だったし、すごく大切な時期でもあったなって。

いっぱい傷ついたけど、そのぶん見つけた時期でもあって。そんな経験を何か言葉に言い換えられたり、形に残せないかなと考えていたときに、本を出すお話をいただきました。

――言葉も漫画もストレートというか、中川さんらしさがあふれているなと。

しんどいときにも読めるよう、文章だと固くなっちゃうところは漫画にしようと、漫画のページから書き始めました。そんなときにも、絵をやっていてよかったなと感じます。

いま思うとあのころの自分に『死なないでありがとう、そのままいろんな事にハマッてね!』って言えるような気がしてきて。大人になってから見えてきたことはとても大きかったので、その気持ちを整理するという意味でも出せて良かったですね。

■ 『懐かしい』って幸せに繋がるし、尊いし、年月が経つほど宝石みたいに輝く

――いままでの人生を掘り返す作業でもあったんでしょうか。

そうですね。小さいころの思い出って、すごく日々の糧になっているなと。私、『懐かしいな』って感覚が一番好きで。懐かしいって幸せに繋がるし、尊いし、年月が経てば経つほど宝石みたいに輝くじゃないですか。

だから冒頭に話した夢じゃないですが、子供たちにとっての“いま”がいつか懐かしいや思い出になるって考えるだけで、ゾクゾクするくらい幸せ。映画の主題歌などを歌わせていただいた『ポケットモンスター』や、もう映画公開から10年近く経つんですけど、主人公を演じたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』が好きってお手紙をくれる子もいたりして。もうなんか、そのたびに生きてて良かったなって感じています。

――いろんな経験を経ての『生きててよかったな』、ですね。

実は『生きててよかったな』って、あんまり思ったことがなかったんですよ。ジャッキー・チェンに会えたときとか、夢が叶った瞬間には何度かあったけれど。去年はそれを何度思っただろうなぁと、振り返れば幸せでしたね。比較的ネガティブ寄りな思考の人生のなかでも、ターニングポイントになった1年でした。

■ 歌手・中川翔子、2020年はシャンソンに挑戦か

――2020年、新たな夢も?

尊敬する人の一人に、シャンソン歌手・しますえよしおさんという方がいて。しますえさんのシャンソンを、童謡を聴くくらいの年齢から聴いて育っていたので、いつか私もシャンソンを歌いこなしたい!という夢があります。大人になってからも、新しい夢とかやりたいことってバンバン見つかるものですね。

でもそれには、説得力が必要で。やはり人生経験を重ねると、歌にすごみが増すんです。シャンソンって愛や別れ、死とか、結構壮絶な話が多いんですが、それが似合うのって、いろんな経験をしてきたかっこいい人なんですよね。だからまだ100年足りないと思う!

――中川さんのシャンソン、聴いてみたいです。

去年、思春期が成仏できた(辛い思い出を乗り越えた)のと同じように、いま大変なこともいつか『シャンソンの凄みには、あの経験も必要だったのね……』と言える、かっこいい熟女になりたいですね。そしてしますえさんも『歌と絵は似ている』って仰っていたし、油絵をずっと描いていらっしゃったから、私も歌も絵も大好きなので、いつかしますえさんのように両方こなす人になりたいですね。

――歌手活動のほか、今年は2020年東京オリンピック・パラリンピックの聖火ランナーなど、新しい場での活躍も増えそうですね。

選ばれたときはびっくりしました! 開催される時代に生きていること自体がミラクルだし、前回の開催時に祖母や母が聖火ランナーを応援しに行ったという話も聞いていたので、家族にも見てもらえたら嬉しいですし、世界中のみんなの夢と希望をのせて聖火を繋いでいくことになるので緊張しますが楽しみたいです。

2020年東京オリンピック・パラリンピックが決定したときは、その場にいた人全員と手を取り合って喜んだのを覚えています。まだ遠い未来だけど、何か少しでも関われたらいいな、ってふわっと思っていたんですが、こういう形で参加させていただけるとは。

たまたまなんですが、2004年リリースのアルバム「9lives」の特典に『ちび太の聖火ランナー』という絵本を描いていて。そして去年ファミリーコンサートでの読み聞かせのときにも『ちび太の聖火ランナー ~2020 ver.~』を描き下ろし直したんです。人間でいうと今100歳になるおじいちゃん猫・ちび太のお話で、ちび太を見ながら、『大人になってからも夢は見つけていいし、たくさん見つけてたくさん叶えられる』って思えたことから生まれた作品です。夢って描いたりすると叶いやすいのかもしれませんね(笑)。

――振り返ってみると、未来に繋がるお仕事も多かったんじゃないでしょうか。

そうですね。書籍に関してはまだ言い足りないこともあったので、続編が出せたらいいなぁと思っています。やっぱり大人が『いじめられている人は悪くないよ』って言い続けなきゃいけないなと。毎年新しく思春期に突入する子もいっぱいいるわけだし。

死にたかった夜を乗り越えた先にいる大人たちだからこそ、分かる言葉や気持ちもある気がしますね。的外れになっちゃうといけないから、難しいんですけれど。だから2020年は、子供たちの声をもっと聞きたいかな。

――いろんな機会があるといいですね。

絵本もたくさん描きたいし、読み聞かせイベントもやりたいし、歌いたい! 目の前で歌を聞いて一緒に歌うって、子供たちにとっては鮮烈な思い出になると思うんですよね。だから、そういう機会もまたできたらいいな。そしてあとは、また何かリリースができれば。そのためには健康でいなきゃいけませんね。

――健康第一!

なんか、子供たちに会うたびにみんなが『しょこたん!』って呼んでくれるんですよ。このあだ名のおかげで概念っぽいというか、レベル34(34歳)ってあまり思わないでいてくれているというか(笑)。残りの寿命にはいつもおびえていますけど、最近は歳を重ねるのが楽しいなって思います。

――中川さんとの時間が、子供たちにとっての経験になりますね。

数えてみたら、2020年でデビュー19年目になるんですよ。やっぱり歌えたり、絵や言葉が誰かに届いて、それが残せるって本当に幸せなことだな、とじみじみ思います。そして続けられるのは歌を聴いてくれる人や、求めてくださる方がいないとできないことだったから、こんなに長くお仕事させていただけていることがミラクルなんです。これから届けるものたちが、いろんな人の宝物になっていったらいいなと思います。(ザテレビジョン)

最終更新:1/24(金) 7:15
ザテレビジョン

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