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日本人最多本塁打へ 筒香嘉智が語る「MLB理想のホームラン」

1/25(土) 8:02配信

FRIDAY

今オフにDeNAからポスティングシステムを利用して、MLBのタンパベイ・レイズに移籍した筒香嘉智選手(28)が1月23日、大阪府内で報道陣向けに自主トレを公開した。

【画像】豪快な打撃 力の入ったキャッチボール 筒香の自主トレ密着写真

この日は時折小雨が混じる天候ということもあり、室内練習場のみでキャッチボール、ノック、打撃練習を披露した。ただ約10分間の練習は、あくまで報道陣の撮影用に行ったもの。本人の説明では改めて練習を行うとのことだった。常に集中して練習に取り組んでいる筒香らしい対応だった。

その代わり囲み会見では、TV、新聞など約20社が集まった報道陣に丁寧に対応。質問が途切れるまで約15分間にわたり質問に答え続けた。

子供の頃から憧れ続けてきた夢のMLB。ようやくその舞台に立てることになった、筒香の今の心境はどんなものなのだろうか。

年明け7日から自主トレを再開しているという筒香は、ここまでの調整を「今の段階では順調で、予定通りに来ていると思います」と説明するほど、地に足のついた練習を続けている。

MLB挑戦1年目だからといって、何か特別なことをしているわけではない。今はキャンプインに向け、新しい環境の中でもしっかり対処できるよう、入念な準備をすることに心血を注いでいる

それは本人の言葉から窺い知ることができる。

「焦らず冷静に自分の中にある優先順位を1つ1つ解決していきたいなと思います。

行ったことがない地ですし、プレーもしたことがない場所ですし、自分のイメージ、予測とは違うことが多々起こると思いますけど、できる限りの準備を最大限尽くして、日々起こることに柔軟に対応していきながら1年間やっていきたいと思います」

それを物語るように、今年の自主トレも筒香の目指すものは何も変わっていない。ここ数年は自分の身体を自由に扱うことができるようになることを目指し、愚直なまでにエクササイズに取り組んでいる。その中で内野守備練習の時間を増やし、MLB公式球を使用するなどの微調整を行っているだけだ。その根本部分はまったくブレていない。

◆松井秀喜の31本を超える可能性

ところでNPBで本塁打王のタイトルを獲得した和製スラッガーがMLBに挑戦した例は、これまで松井秀喜氏1人しかいなかった。それだけに周囲の関心は、筒香がMLBでも通用するスラッガーになれるのかに集まりがちではないだろうか。

確かに二刀流選手として大谷翔平選手が打撃でもセンセーショナルな活躍を見せているが、打者に専念した昨年は1年目の本塁打数を上回ることができていない。しかも今シーズンは投手としても完全復帰を目指しており、過去2シーズン(1年目もシーズン途中で打者に専念)よりも打席数が減るのは確実だ。打撃タイトル争うという点では、どうしたって筒香に期待するしかないのだ。

特にここ数年、MLBでは“飛ぶボール”疑惑が燻り続け、完全な打高投低のトレンドが確立している。昨シーズンはMLB史上最多の6776本塁打を記録するとともに、30本塁打達成者も、ナ・リーグ本塁打王に輝いたピート・アランソ選手の53本を筆頭に、何と58人を数える状況だ。

これまで日本人メジャー選手の年間最多本塁打数は2004年に松井氏が記録した31本だということを考えれば、筒香にはどうしても記録更新を期待してしまう。だがまずはその前に、MLB1年目の選手として一昨年大谷が記録した、日本人選手最多本塁打22本の更新も控えている。

もし筒香がNPBで披露した打撃をそのままMLBでも続けることができれば、そうした記録更新は決して難しいことではない。むしろ日本人選手初の年間40本塁打すらも夢ではなくなっていくだろう。

こうした周囲の期待を他所に、筒香は数字的な目標は一切口にせず、以下のように話している。

「(MLBへの対応は)どうなんですかね。なにせ想像もつかない場所ですので、そのままいける可能性もありますし、何か対応しなければならないことも起こると思うので、その辺はまったく想像がつかないです。

まだ監督やコーチと(チームの)野球のことについて長く話したわけではないですし、まあホームランの中でも意味のあるホームランと、あまり勝負に直結しないホームランというのもどうしてもあるので……。

ホームラン(を何本打つ)というよりも、どれだけ(チームの勝利に)貢献したという数字が大事になってくるかなと思います。また目に見えない数字というのが必ずあると思うので、そういうところで自分の力を100%発揮するだけだと思っています」

当然のことだが、野球は個人競技ではなくチームスポーツだ。個人でどんな素晴らしい成績を残したとしても、チームが勝たなければきちんと評価はされない。筒香はその言葉通り、個人成績に囚われることなくあくまでチーム、首脳陣が求めるプレーを目指していく覚悟だ。

いずれにせよ、久々の和製スラッガーのMLB挑戦は興味が尽きないところだ。

取材・文・撮影:菊地慶剛
1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂英雄投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始める。20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技を取材。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、近畿大学で教壇に立ちスポーツについて論じる。

FRIDAYデジタル

最終更新:1/25(土) 8:32
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