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新型コロナウイルスの感染源は、本当に「市場のヘビ」なのか? 新たな論文を巡り波紋

1/25(土) 12:12配信

WIRED.jp

「ヘビ説」に反論が続出

「まったくもって、ごみ論文そのものです」と、シドニー大学の感染症・バイオセキュリティ研究所の動物学者で新型コロナウイルス(2019-nCoV)を含む新しいRNAウイルスを専門に研究するエドワード・ホームズは断言する。中国疾病管理予防センターと上海の復旦大学での職も兼任しているホームズは、さまざまなウイルス学フォーラムや科学分野のSlackコミュニティ、Twitterなどでこの論文の重大な欠陥を指摘し、論文掲載を撤回するよう雑誌側に呼びかけている多くの科学者のひとりだ。

「リアルタイムでのウイルス配列データの公開は本当に素晴らしいことです」と、ホームズは語る。「マイナス面は、公開されたデータを使って、とんでもない結論を出す人がいることです。その結果、本当に役に立たないご都合主義の情報が広まって、じゃまになるだけです」

中国当局が発表した遺伝子データの予備分析では、新型コロナウイルス(2019-nCoV)が通常であればコウモリに感染するコロナウイルスのグループに最も近いことが示唆されている。しかし、今回のアウトブレイクの季節は冬であり、コウモリは冬眠している。このほかのさまざまな理由も踏まえ、多くの科学者はほかの動物が媒体となって、コウモリからヒトにウイルスが感染したのではないかと疑っている。

遺伝子の解析から見えてきたこと

北京大学医学部基礎医学院の微生物学者である魏潔(ウェイ・ジー)が率いる中国の研究チームは、この正体不明の中間宿主の探求にとりかかった。その方法のひとつは、遺伝子情報を利用してコドンと呼ばれる遺伝暗号を調べることだ。コドンとは、伝令RNAにおける連続した3個1組(トリプレット)の塩基配列を指す。

タンパク質を構成するコドンの使用頻度の偏り(コドンバイアス)は、生物によって異なる。一部のウイルスは、新しい宿主のコドンバイアスを採用することで、新しい宿主に適応する。

研究チームは、新型コロナウイルス(2019-nCoV)が好んで使うコドンと、宿主の可能性がある少数の生物(人間、コウモリ、ニワトリ、ハリネズミ、センザンコウ、2種類のヘビ)が好むコドンを比較した。そして新型コロナウイルス(2019-nCoV)のコドンバイアスが、タイワンコブラとアマガサヘビの2種類のヘビのコドンバイアスと最も重複していることがわかったと報告したのだ。

この結果を踏まえ、論文では「2019-nCoVのウイルスを保有する可能性が最も高い野生動物はヘビであることが初めて示された」と主張。「われわれの進化解析から得られた新しい情報は、2019-nCoVによって誘発された肺炎が原因のアウトブレイクを効果的に抑制するうえで極めて重要である」と結論づけている。

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最終更新:1/25(土) 12:12
WIRED.jp

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