ここから本文です

世界で最も残酷な虐殺のあった国に「IT学校」を創った日本人の正体

1/25(土) 9:01配信

現代ビジネス

虐殺の悲劇から復興し「アフリカのシンガポール」へ

 ルワンダは西にコンゴ民主共和国、北にウガンダ、東にタンザニア、南にブルンジがあるアフリカの内陸部に位置する国だ。そんなルワンダだが1994年4月から7月にかけてフツ族過激派によるツチ族とフツ族穏健派に対するジェノサイド(虐殺)が起きたことも記録に新しい。

【衝撃の現場!】ハイパーインフレで「地獄」と化したベネズエラ、そのヤバすぎる現実

 ジェノサイドではルワンダの総人口730万人のうち約100万人が虐殺されたという。そして約210万人が難民となって海外に流出したとされる。

 そんな悲劇的なジェノサイドからまだ20年ほど。今のルワンダは「アフリカのシンガポール」、「アフリカの奇跡」と呼ばれるまでに経済が持ち直し平均7%前後の高成長中。大変貌を遂げているという。

 2000年に大統領に就任し国民から「キング」と慕われているポール・カガメ大統領が強力なリーダーシップを発揮してユニークな政策を打ち出しているのだ。

 2008年、ビニール袋の製造や利用が禁止された。持ち歩いているのがばれると没収される。販売しているのがばれると最高30万ルワンダ・フラン(約5万円)の罰金をとられるという。また首都のキガリには清掃員がたくさん配置され、道にはゴミは落ちておらず常時清潔が保たれているという。まさにシンガポールの様だ。

 またルワンダ政府は国一丸となって戦略的にICT産業の育成を掲げてきたという。その影響もあって国内では子供から若者を中心にがITへの興味関心が非常に高いという。

 そんなルワンダでIT人材を育成すべく奔走している日本人がいる。東京・渋谷のプログラミングスクールDIVE INTO CODEの代表野呂浩良氏だ。

 筆者が野呂氏にインタビューを実施したところアフリカのIT事業、IT人材について興味深い話が次々と出てきた。ここに紹介させていただきたい。

ITに高い関心を持つルワンダ国民

 ――なぜルワンダにプログラミングの学校を? 
 野呂 ルワンダは若年層中心に国民全体がITに対する関心が非常に高い国です。ポール・カガメ大統領のリーダーシップのもと、ICT産業を主要な産業に位置づけてきた影響が大きいのでしょう。

 国民にもう二度とジェノサイドのようなことを起こしたくない。そんな想いも強くあるのでしょうね。1994年のジェノサイドもその要因は色々ありますが、仕事にありつけない若者が暴動を起こしたという側面もあります。仕事を用意して若者のエネルギーの受け皿にICT産業がなればとの狙いもあるのでしょう。

 ーールワンダでのプログラミングスクール設立のきっかけは何だったのでしょうか? 
 野呂 私は以前から、「アフリカでいつかプログラミング教育がしたい!」と考えていました。そこで私は2016年ごろに日本で毎週開催していたプログラミングセミナーで、そのことを自己紹介で話していたんです。すると、参加者の一人が、ちょうどルワンダでIT教育をする計画のあったNPOを紹介してくれたんですよ。

 そんな経緯で2017年8月、私はルワンダに渡航することになりました。ルワンダ滞在中、私は首都キガリのコワーキングスペース「KLab」で、Rubyを学べるセミナーを開催しました。

 セミナーの開催後に、「Rubyのエンジニアになれるまで、オンラインで学びませんか?」と提案しました。すると参加者全員が「やりたい」と言ってくれた。さらに参加者のルワンダ人女性の一人が、自身のオフィスやネット環境を他の人のために提供すると申し出てくれたのです。

 その結果、彼女のオフィスに集まって、DIVE INTO CODEの「Webエンジニアコース」のオンライン用のカリキュラムと教材を活用し、オフラインで共に学び合う自主勉強会が始まりました。

 さらに彼らのもっと学びたいという熱意に応える形で、オンラインで弊社の日本人メンター(講師)に質問する取り組みも始めました。結果的に10ヶ月後の2018年6月には、3名がカリキュラムを無事終えることができ、卒業しました。

 その成功を経て、ルワンダ政府と現地のICT商工会議所から講義施設を提供頂いたのと同時に、日本のクラウドファンディングで500万円以上の支援を頂き、2019年7月、ルワンダにプログラミングスクールを開校できました。それから第一期卒業生19名を輩出し、彼らは12月には開発案件を受注しています。

1/3ページ

最終更新:1/25(土) 9:01
現代ビジネス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事