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人の心を考慮しなければ「戦略人事」は機能しない

1/27(月) 7:31配信

日本の人事部

最近は従業員のエンゲージメントが注目されている。日本人はエンゲージメントが低いといわれるが、低い従業員はムダの多い社員であり、戦略人事においては大きな誤算となる。どうすれば従業員の心をつかみ、エンゲージメントを高めることができるのか。学習院大学の守島氏が、いま人事が取り組むべき課題について語った。

人材の需要と供給は、社員のマインドを考慮しないとフィットしない

守島氏は最近のHRトレンドから話し始めた。最近特徴的なことは、企業が社員一人ひとりを「個」として扱おうとし始めたことにある。

「先日、『日本の人事部』が行う『HRアワード』の表彰式で講評を頼まれて、私は二つのHRトレンドについて話をしました。一つ目は、いわゆるHRテクノロジーの広がりです。最近は、実際に使う企業が増えています。受賞企業で多かったのは、HR テクノロジーをつくって提供する企業です。二つ目は、HRテクノロジーの使い方やその目的です。最近特に特徴的だと思うのは、一人ひとりの人材を丁寧に扱うためにHR テクノロジーが使われていることです。個のニーズを拾い上げて、施策に反映させていく姿勢が見えます」

日本企業のこうした動きは、米国企業のHRテクノロジーの使い方とは異なると守島氏は語る。米国企業では、大量の人材をマスのままに扱うことが主流となっている。しかし、日本企業は社員それぞれの「心」を大切にしようとしている。

「戦略人事は、人の心が命といえます。今日覚えて帰っていただきたいのは、これからは人の心を考えない人事はダメだ、ということです。一人ひとりをどう扱うのかが問われます。人の多様性には二つの種類があります。一つ目は、性別など目に見える表層の多様性。二つ目は、その人の価値観や考え方、大切にしているものといった深層の多様性。人事は後者の多様性こそ扱わなければいけません。深層の多様性は、イノベーションの基になります。人の心を大切にすることが、企業にとって非常に重要になってきたということです」

戦略人事とは、簡単に言えば「戦略を達成するために人材を確保すること」だ。守島氏は、日本企業は人材を狭く捉え過ぎていると指摘する。

「社員が100%の仕事ができていないときは、心の状態にムダが出ているということ。これから人材の需要と供給をフィットさせていくときには、マインドやエンゲージメント、モチベーションが重要です。人事は社員の心をどこまでつかんでいるのか。1on1が最近重視されているのは、人事が人の心を捉えきれていないためともいえます」

現代は働く人の心も、企業側の戦略も変わってきている。双方に大きな変化があることも大きな問題だ。だからこそ人事は苦労しているのであり、これからは人材確保がどんどん難しくなる、と守島氏は述べた。

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最終更新:1/27(月) 7:31
日本の人事部

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