ここから本文です

金敬哲/格差国家・韓国「無限競争」の苦しみ〈日本にとって「対岸の火事」ではない〉――文藝春秋特選記事【全文公開】

1/30(木) 6:00配信 有料

文春オンライン

金敬哲氏

 2012年8月の李明博(イミョンバク)元大統領の独島(竹島)上陸を機に硬直し始めた日韓関係は、2017年5月、文在寅(ムンジェイン)政権が発足してからいっそう悪化している。2018年以来、既存の歴史問題と独島問題のほか、海上自衛隊哨戒機に対するレーダー照射事件、徴用工賠償判決など、新たな懸案が次々と発生し、「戦後最悪の日韓関係」の時代へと突入した。

 韓国の歴代のどの政権より強力な反日外交を繰り広げていることが、文在寅政権の支持率アップに大きく貢献しているのは事実だ。

 その背景には、沸騰寸前にまで上がった、国民の「不満の水位」がある。いまの韓国は、耐えがたい格差社会に陥っている。全ての世代で「無限競争」が繰り広げられており、社会が一握りの勝者と大半の敗者に分かれ、勝者独り占めによる格差が日増しに深刻化。「競争」と「格差」こそが現在の韓国社会の諸問題を引き起こしている。

 文在寅政権は高まった不満の捌(は)け口として、日本という「敵」を利用しているのだ。

 韓国が厳しい格差社会になったきっかけは、1997年のIMF通貨危機だ。これは、財政破綻の危機に直面した韓国政府が、IMFから資金援助を受けるために合意文書を締結し、国家財政の「主権」をIMFに譲り渡したものだ。これによって韓国ウォンは大きく下落し、庶民の生活も大打撃を被った。IMF危機直後に就任した金大中(キムデジュン)大統領は、IMF勧告よりも強力な新自由主義政策を導入した。韓国社会全般にわたって新自由主義の波が押し寄せたが、とりわけ、その影響を強く受けたのが教育現場である。 本文:7,455文字 写真:3枚 受験生に声援を送る高校生 (c)共同通信社 格差を悪化させた文大統領 (c)getty

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

すでに購入済みの方はログインしてください。

  • 税込220

    PayPay残高使えます

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。 購入した記事は購入履歴で確認できます。

金 敬哲/文藝春秋 2020年2月号

最終更新:1/30(木) 6:00
文春オンライン

おすすめの有料記事

PayPay残高使えます

もっと見る

Yahoo! JAPAN 特設ページ