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イタリア中部のトスカーナ州に誕生したワインのスター生産者たち=スーパータスカン「サッシカイア」の奇跡

2/3(月) 15:01配信

サライ.jp

取材・文/鳥海美奈子

イタリアワインにそれほど詳しくない人でも、“スーパータスカン”という言葉をどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

スーパータスカンとは、イタリア中部のトスカーナ州に誕生したワインのスター生産者たちのこと。イタリアのワイン法や格付けといった基準に縛られることなく、質や美味しさを追求したワインを指します。

そんなスーパータスカンのなかでも、最も伝説的なワイナリーがサッシカイアです。
その始まりは、1940年代にまで遡ることができます。マリオ・インチーザデッラ・ロケッタ侯爵はボルドーワイン好きが高じて、1944年にボルドーのシャトー・ラフィットからわけてもらったカベルネ・ソーヴィニヨンの苗を自らのぶどう畑に植えます。第2次世界大戦により、ボルドーワインが輸入されなくなったことから、自ら造ることを決意したのです。

もともとは自家消費用に醸造していたそのワインが大変な評判を呼び、70年代になると世界的に販路を広げていきます。しかし当時、ボルゲリは土着品種を使った白とロゼしかD.O.Cというワイン法では認められていなかったために、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のサッシカイアは、テーブルワインとして販売されていました。

しばらくして、大きな転機が起こります。1978年、イギリスのワイン雑誌『デキャンタ』のブラインド・テイスティングで、サッシカイアが「ベスト・カベルネ」に選ばれたのです。

それは、シャトー・マルゴーなどボルドー1級の並みいるシャトーを押さえて輝いた座でした。イタリア・トスカーナ州のテーブルワインが、カベルネ・ソーヴィニヨンの最高評価を得た事実は、世界に衝撃を与えました。以来、サッシカイアは「世界最高峰」「イタリアの至宝」と讃えられてきたのです。

1994年には「ボルゲリ・サッシカイア」というD.O.Cが新たに認定されます。それはまさにサッシカイアのために新たにつくられたD.O.Cといっても過言ではありませんでした。
2020年を迎えたいまでも、サッシカイアは依然、存在感を放ち続けています。インチーザ侯爵家の跡継ぎであり、現在はワイナリーのアンバサダーを務めるプリシラ・インチーザ・デッラ・ロケッタさんが2019年末、来日しました。

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最終更新:2/3(月) 15:01
サライ.jp

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