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イタリア版007エージェント。フィレンツェに実在した伝説のスパイの邸宅を訪ねる(イタリア)

2/4(火) 11:02配信

サライ.jp

文・写真/佐藤モカ(海外書き人クラブ/イタリア在住ライター)

世界遺産都市、フィレンツェ。情緒豊かな街を横断するアルノ川沿いに、あまり訪れる人もいない小さな博物館がひっそりと建っている。ロドルフォ・シヴィエロの家博物館「Museo Casa Rodolfo Siviero」。日本ではほとんど知られていない人物だが、かつてこの家の主だったロドルフォ・シヴィエロこそは第2次世界大戦時にスパイとして活躍した本物のシークレット・エージェントである。

ジョージ・クルーニー監督・主演の「ミケランジェロ・プロジェクト」という映画をご覧になったことはあるだろうか。ジョージ・クルーニー扮するハーバード大学美術館館長が仲間を集めて、ナチス軍によって強奪された世界各国の美術品を取り戻すという実話を元にした映画である。

第2次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍の支配下に置かれた地域では、貴重な美術品が親衛隊によって次々に強奪され、国外へと運び出されていた。美術愛好家だったヒトラーはドイツに世界一の美術館を作る計画を練っており、そのために世界中の優れた芸術品を盗み出そうとしていたのだ。更に悪いことに、ナチス軍が敗れて撤退する際には、彼らは現地の美術品を容赦なく破壊した。手に入らぬのなら、壊してしまえと…。こうして、歴史上重要なヨーロッパの至宝が次々に失われていった。そんな状況に危機感を覚えた美術のエキスパートたちによる奪還・救出作戦が、水面下で密かに行われていたのである。
この映画と同じミッションを帯びて手に汗握る冒険を実際に行っていたのが、我らがシヴィエロである。彼は命の危険も顧みずナチス政権化のドイツに赴いて情報収集を行い、祖国イタリアから重要な文化財が奪われることを事前に防いだり、略奪された美術品を回収、あるべき場所に返還することに生涯を捧げた信念の男であった。

ロドルフォ・シヴィエロは1911年のクリスマスイブにピサ近郊で生まれた。その後、警察官であった父の仕事の関係で、13歳の時にフィレンツェに移住。そこで出会った優れた芸術作品の数々に深い感銘を受けた。やがて自らもアーティストを志すものの断念し、芸術評論家の道へ。1937年には美術史の奨学金を得てベルリンに留学、評論家として勉学に励んだ…というのが彼の表向きの顔である。

実際には、シヴィエロの人生はもっと複雑で危険に満ちた運命を辿ることとなった。記録では1934年、23歳の若さで既にシークレット・エージェントとしてイタリア軍に参加しており、ドイツ留学もスパイ活動のための計画の一つだったのだ。
イタリア帰国後も、彼は留学時代に築き上げた人脈を駆使して諜報活動を行い、ドイツ軍による美術品強奪の情報を事前にキャッチしては未然に阻止していった。中でも有名なのは、友人でもあった形而上絵画の巨匠デ・キリコの身柄と作品を保護した時の冒険譚である。

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最終更新:2/4(火) 11:02
サライ.jp

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