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「殺処分ゼロ」はまやかし、日本でペットの「闇処分」が横行する理由

2/8(土) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 近年、ペットの殺処分が社会問題になっている。各自治体や省庁は「殺処分ゼロ」に向けたスローガンを標榜しており、そのかいあってか、統計上は殺処分の減少に成功している自治体も増えてきているのだが、実は「闇処分」が急増しているにすぎないという。闇処分が横行する理由をペットジャーナリストの阪根美果氏に聞いた。(清談社 岡田光雄)

● 殺処分は減っているが 実態はボランティア頼り

 相変わらずペットブームは陰りを見せず、犬や猫はSNS上などでも集客の見込めるドル箱コンテンツとなっている。矢野経済研究所の調査によれば、2017年度のペット関連総市場規模(小売金額ベース)は1兆5193億円で、19年度は1兆5629億円になる見込みだ。

 その一方、ペットショップで売れ残ったり、飼い主に捨てられたりして次の里親や保護先が見つからなかった動物には、保健所での殺処分という残酷な運命が待っている。

 そこで近年は、行政などで殺処分をなくす取り組みが実施されている。環境省の発表では、08年度に27万6000匹だった殺処分の数は、17年度は4万3000匹に激減している。

 「統計上は犬や猫の殺処分が減っている自治体は多いのですが、その多くは動物愛護団体や個人のボランティアが引き取り、里親を探しています。そうした方々が必死に保護しても、営利目的の悪徳ブリーダーが過剰繁殖を繰り返すので供給が止まらず、安易に飼い始めた飼い主が身勝手な理由で自治体に持ち込んだり、捨てたりするため保護が追い付かない状態です」

● 売れ残った動物は 「引き取り屋」に流れる

 さらに、動物愛護団体やボランティアに行き着くまでの段階では、多くの犬や猫が「闇処分」されている現実もあるのだ。

 ペット業界では、まずブリーダーのもとで産まれた子犬・子猫がオークションで取引され、ペットショップを経て飼い主に渡ることが多い。しかしその過程で、“商品にならない”“大きくなって価値がない”“繁殖できないなら不必要”という烙印(らくいん)を押された犬や猫を引き取る闇の業者が存在する。

 「ブリーダーやペットショップなどで売れ残った動物たちは、一昔前までは自治体が引き取っていたケースもありましたが、2012年に動物愛護法が改正されて以降それが難しくなったため、より『引き取り屋』の動きが活発になってきました。引き取り屋は、一応表向きは『1匹につき数千円~数万円の飼育費をもらえれば、あとはこっちで一生面倒見ますよ』というタテマエで引き取ります。しかし実際には、積み上げた狭いケージに犬や猫を閉じ込め、餌もろくに与えず、病気になっても治療をせず、結局は死なせてしまう業者も少なくないのです」

 しばしばメディアで報じられるように、引き取り屋の中には事実上殺処分を代行しているところも多い。引き取り屋自体は違法ではないが、飼育放棄や虐待などが疑われるケースも少なくないのだ。

 「最近は動物愛護団体や個人のボランティアも目を光らせており、ペットショップなどに電話して『そちらのお店では引き取り屋に犬や猫を流したりしていないですよね?』と聞いて回っているところもあるようです。そのため、ペットショップによる闇処分の数は減っているとは思いますが、それでも中には里親募集をかけるのが面倒だ、飼育代がかさむといった理由から流しているところもあるようです」

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最終更新:2/13(木) 17:05
ダイヤモンド・オンライン

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