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強さの要因は「厚底」だけではない。哲学者・キプチョゲのマル秘ノート。

2/9(日) 20:01配信

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 厚底シューズが大きな話題となってきたマラソン界だが、厚底シューズと言えば、エリウド・キプチョゲの名前もまた、連想される。男子マラソンの、中心にいるランナーこそ、彼にほかならない。

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 あらためて経歴をたどりたい。

 1984年11月5日、ケニアで生まれた。

 陸上を始めると台頭。2004年、19歳で出場したアテネ五輪5000mで銅メダルを獲得すると、2008年の北京五輪同種目で銀メダルを獲得した。

 2012年、マラソンに転向するとその翌年の初マラソンで好記録をマークし優勝。

 2016年のリオデジャネイロ五輪ではマラソンでついに金メダル。それは10代、20代、30代それぞれでメダルを手にすることになった瞬間でもあった。

ついに2時間の壁を破る。

 キプチョゲの名を知らしめたのは、こうした成績のみならず、2時間の壁にチャレンジしてきたことだ。

 2017年のナイキによる企画「ブレイキング2」で2時間0分25秒をマーク。また、昨年はイネオス社主催の「イネオス1:59チャレンジ」に出場。1時間59分40秒と、ついに2時間の壁を破ったのである。

 この2レースは公認されていないため、記録は非公式のもの。それでも2時間を破ったインパクトは大きかった。

 そして履いていたのは厚底シューズであった。厚底シューズの威力を知らしめるレースともなった。

公式レース12回出場で11回優勝。

 ただ、厚底シューズだから記録につながった、とはあながち言えない。

 何よりもキプチョゲの強さにこそ、理由がある。

 公式レースは計12回出場。2度目のマラソンとなった2013年のベルリンマラソンで2位になった以外はすべて優勝。2018年のベルリンマラソンで2時間1分39秒の世界記録も樹立している。

 まさに最強ランナーと言ってよいだろう。キプチョゲを中心に、男子マラソンは進んできたと言って過言ではない。

読書もランニングにいかす。

 これまで国内外のメディアの取材に応えてきた。

 そこから浮き彫りになるのは、キプチョゲのストイックな姿勢と速く走ることへの探求心だ。

 例えば、トレーニングでは持てる力の「80%」までにとどめるという。

 レースで重要なのはフィジカルとメンタル、それぞれ半分の割合だとキプチョゲは考えるが、レース当日、100%に持っていくために最適だと考えたのが、80%である。

 それは決して感覚的なもの、思いつきのような類ではない。

 キプチョゲは練習の記録を欠かさず、ノートにつけていることも明かしている。

 しかも、十数年におよび、やめることなく継続して行なってきた。そしてつけたノートを振り返り、分析し、トレーニングの方法、レースへの調整の仕方など、自身のスタイルを築いてきた。

 記しているのは練習ばかりではない。読書家として知られるキプチョゲは、数々の書籍に目を通し、印象深かったことなどを引き写してきた。それを自身のランニングにいかそうと努めてきた。

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最終更新:2/9(日) 20:01
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