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企業が取り組む「カーボンオフセット」には、もろ手を挙げて賛成できない事情がある

2/10(月) 19:11配信

WIRED.jp

カーボンオフセットがなければ何をしていたか

ヘップバーンを含む一部の人々は、カーボンオフセットが本来の主旨に沿って行われているかを確かめるために、第三者による検証を実施すべきだと警告している。また、二酸化炭素削減の具体的なアクションがほかにとられていないことへの警戒の声もある。

問題が複雑になるのはそこからだと、カリフォルニア大学バークレー校の研究員としてカーボンオフセット活動の有効性を研究しているバーバラ・ヘイヤは指摘する。

「オフセットの購入ができなかったとしたら、ジェットブルー航空は代わりに何をしていたでしょうか? 旅客機の燃料の効率向上に予算を投じていたでしょうか? ゆくゆくは石油燃料の代替物となるはずのバイオ燃料に投資していたでしょうか? 企業が自発的に取り組むカーボンオフセット活動に対して、そうした根本的な問いを投げかけるべきなのです。カーボンオフセットは本当の意味でどの程度、長期的な解決策の代わりになりうるのでしょうか?」

サステナブルな航空燃料にも投資しているジェットブルーは、オフセットを購入するだけで従来のビジネスを変えようとしない一部の航空会社に大きく差をつけたとヘイヤは言う。

ヘイヤは、10校あるキャンパスを2025年までにカーボンニュートラルにするカリフォルニア大学の取り組みを支援している。目標を達成するために、同大学は消費エネルギーの削減とオフセット購入の両方を実行しなければならない。

太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの利用は、地球に優しく二酸化炭素排出量の削減にも有効である。だがカリフォルニア州では、いまやこうした再生可能エネルギーが化石燃料由来の電力に劣らぬ価格競争力をもっているため、その利用はカーボンオフセットとはみなされないだろうとヘイヤは言う。

代わりにカリフォルニア州で大きな動きを見せているのが、大量の樹木を大地に植える森林再生と、農業の変革だ。ディズニー、エネルギー企業のコノコフィリップス、海水の淡水化に取り組むポセイドンリソーシズの3社は、670万ドル(約7億3,500万円)相当のカーボンクレジットを購入することで、サンディエゴ市西部にある州立公園の100エーカー(約40万平方メートル)の区域に草木を植えて再生に導いた。

非営利団体フォレスト・トレンドの最新データである18年の記録によると、自然環境の回復をベースとするこうした解決策により、世界で1億トンの二酸化炭素を削減できたという。オフセット購入額にして、3億ドル(約330億円)相当である。

18年のカーボンオフセット量は過去最高を記録し、19年も同様のペースで伸びた。これは一見すると堅調のようだが、1億トンという数字は依然、温室効果ガスのバケツに落とされたひと粒の水滴に過ぎない。世界的な環境プロジェクトであるグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)によると、19年の産業部門の二酸化炭素排出量はおよそ370億トンに上った。

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最終更新:2/10(月) 19:11
WIRED.jp

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