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企業が取り組む「カーボンオフセット」には、もろ手を挙げて賛成できない事情がある

2/10(月) 19:11配信

WIRED.jp

オフセット売却完了後、木が伐採される例も

とはいえカーボンオフセットは、二酸化炭素を排出している産業にもう少しクリエイティヴになるよう迫ることで、長期的によい効果を発揮しているという兆候もある。

例えば、スイスのある企業は、ニンニクと柑橘類を独自配合したサプリメント飼料を販売している。これをウシに食べさせると、強力な温室効果ガスであるメタンの発生を抑える効果を発揮するという。

この飼料は、カーボンオフセットに関するさまざまなプロジェクトの規格を策定する非営利団体Verraから、このほど認定を受けたばかりだ。この飼料を使ってメタンガスの排出を低減できた酪農家は、監査を受けたのちにカーボンクレジットを売却し、新たな収入源を得られるようになる。

だが、こうしたプロジェクトはどこでも成功しているわけではない。非営利の報道機関であるプロパブリカが19年に実施した調査によると、カーボンオフセットでブラジルの森林を再生しようとしたプロジェクトは失敗に終わった。欧米企業へのオフセット売却が完了したあと、伐採業者が木を切り倒してしまったのだという。

「きちんとした裏付けのある方法論と、科学的に正しいという確証が欠かせません」と、Verraで市場開発部門の責任者を務めるナオミ・スウィカードは言う。こうしたプロジェクトが質的にみな同等ではないことを、スウィカードはよく知っている。また、カーボンオフセットは気候変動の解決策にならないとも彼女は指摘する。

時間は猛烈なスピードで進んでいる。しかし、これによって少しだけ時間を稼げるかもしれない。

ERIC NIILER

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最終更新:2/10(月) 19:11
WIRED.jp

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