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「人望のないゴーン」逮捕が招いた意外な副作用

2/10(月) 7:50配信

東洋経済オンライン

 日産のゴーン元会長(以下、敬称略)の逮捕・逃亡については、政治家・法曹関係者・経営者・ネット住民などいろいろな立場から意見・感想が寄せられています。

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 その中で、あまり多くを語っていないのが教育関係者。私を含めて教育関係者の多くは内心「これはまずいことになったぞ」と焦っています。何が「まずい」のでしょうか。

 日本の教育関係者は「リーダーには人望が必要」と説いています。ところが、輝かしい実績を上げたゴーンが逮捕・逃亡によって実は人望がまったくなかったことが明らかになり、「リーダーには人望が必要」という教えが揺らいでいるからです。今回は、経営者の人望について考えてみましょう。

■「人望ゼロ」のゴーン

 ゴーン逮捕から1年以上経ちます。個人的に驚くのは、ゴーンが容疑を全面的に否認しているのに、日産の従業員からゴーンを擁護する声がまったく上がっていないことです。

 ゴーンによって閑職に追いやられた従業員はもちろんのこと、ゴーンのおかげで経営者に取り立てられた志賀俊之元取締役や西川廣人元社長も、ゴーンを厳しく批判しています。賛否両論ではなく、全否定の状態です。

 日産時代のゴーンは、自分にこびへつらう部下を厚遇する一方、車造りなどで意見を異にする部下には「Don’t teach me(俺に説教するな)」と言い放ち、容赦なく閑職に追いやったといいます。そのため、ゴーンに取り入って出世しようという従業員はいましたが、人柄を慕ってゴーンについていこうとする従業員・関係者はいませんでした。

 ゴーンは1月、日本のメディアの代表取材に対し「私には発言力と金がある」と語りました。逆に金はあっても人望はないと自ら認めているようです。過去に「権力は金で買うもの」という発言もしています。

 ところで、事件を受けて、このところ「ゴーンの経営はよくなかった」「従業員や下請けを切っただけでしょ」とゴーンの実績を否定する見解が増えています。しかし、これは結果から逆算した偏った見方ではないでしょうか。倒産の瀬戸際に追い込まれた日産を救い、ルノー・日産連合を世界有数の自動車メーカーに育て上げた実績は実績として認めるべきだと思います。

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最終更新:2/10(月) 12:43
東洋経済オンライン

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