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VAR導入で今季Jリーグに起こること。 デメリットをプラスにできるか

2/10(月) 6:20配信

webスポルティーバ

1試合に何度か訪れるテニスの「チャレンジ」は、とてもテレビ映えする。疑問が一瞬で解決する明快なビジュアルに、気がつけば目は吸い込まれる。使用される頻度、費やされる時間も適切だ。テニス観戦にもはや不可欠なツールとなっている。テニス人気の興隆にもひと役買っている「チャレンジ」に対し、サッカーのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)はどうなのか。サッカーにとって有益なツールになり得るのか。

【動画】VARが3度介入した一戦を振り返る

 欧州の主要国に遅れること1年半。日本にもその波は遅まきながら到達した。今季のJ1リーグ(2月21日開幕)ではVARが実施されるが、それに先立って行なわれたゼロックス・スーパー杯(横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸)でも適用された。

 さっそく前半、VARが2度、発動される機会が到来した。しかしいずれも、判定が覆る可能性を秘めた複雑なシーンとは言い難く、とりあえず確認したという程度のものだった。前半のロスタイムは5分。選手が倒れたシーンもあったので、2度のVARに費やした合計時間はざっと3~4分間となる。試合がそれなりにレベルの高い好勝負だったこともあり、間延びした印象を与えたことも確かだった。

テレビ放送もその間を持て余し気味だった。VARに入る前から白黒がほぼ決着していたこともあるが、緊張感を伝えられずにいた。

 サッカーは流れが途絶えない競技だと言われる。ケガや得点シーンを除けば、常にプレーオンの状態にあるところに、他の競技との違いがある。だが、この試合で最初に発生したVARのシーン(コーナーキックの流れから神戸のドウグラスがゴールを決めたが、副審がオフサイドの判定)も、これまでなら即、FKで再開されていた。そこに「待った」が入る可能性が生まれたわけだ。

 得点シーンで、少しでも微妙な箇所があれば、VARは必ずと言っていいほど入る。欧州サッカーを見ていて、そうしたシーンに直面すると、もはや選手も大喜びしなくなっている。ファンも同様だ。慣れてしまったのか、スタンドに即、歓喜が渦巻くシーンは減っている。サッカーの特性である流れを止めてしまうデメリットを、VARは抱えている。

 マリーシア。ホームタウンディシジョン。誤審も含め、これまで"必要悪"というか、肯定されてきた一種の曖昧さも、VARによって奪われようとしている。ただ、これらは試合の流れの寸断とは種類が違う。フェアプレーの精神が高まり、誤審が減ることは、あながち悪い話ではない。

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最終更新:2/10(月) 6:20
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