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【新型コロナウイルス】中国籍の妻と娘はチャーター機に乗れず、家族は引き裂かれた

2/11(火) 19:00配信

クーリエ・ジャポン

「中国人の彼を置いてはいけない」

米ジョージア州出身のガブリエル・オートリー(26)は、中国人のボーイフレンドと浙江省・杭州市で暮らしている。浙江省は、新型コロナウイルスの感染が最も拡大している省の一つであり、オートリーの住む一帯は封鎖されているという。

アメリカ人であるオートリーには、中国を出国するチャンスもあったが、彼女は残ることを選んだ。中国人の彼をひとり置いていくなんてできなかったと語る。

「私はここを去りません。彼を残していくなんて、私たちの関係にとって正しいことではありません」

中国や世界各国の政府が、感染地域の封鎖、渡航禁止、入国制限、自国民の中国からの出国といった措置を取るなか、国籍の違うカップルや家族が引き裂かれる状況に直面している。

オートリーと恋人のリーは、香港へ旅行して婚約しようと計画していたときに、新型コロナウイルスの感染拡大に襲われた。オートリーによれば、中国のニュースは検閲されていたため、感染症発生の第一報はアメリカのメディアで知ったという。

2人はアパートの外へはなるべく出ないようにしようと決め、自ら移動を制限した。その数週間後、当局が不必要な外出を禁じると発表した。

オートリーは現在、配送されてくる食料品を受け取るためにアパートから出る際と戻る際に毎回、体温を測って警備員に見せることを義務付けられている。アパートの部屋に缶詰め状態の生活は退屈だと彼女は言う。だが少なくとも、恋人と一緒にいられる。

一方、自分たちの意思に反して、離れ離れになったカップルもいる。

カナダの永住権を持っているだけではダメ

湖北省・武漢市で新型コロナウイルスの拡大が始まったとき、カナダ人のモント・ギズボーンの妻と義理の娘は、同市に住む親せきを訪れていたところだった。ギズボーン自身は、この武漢への旅行に同行していなかった。

まもなく武漢は封鎖され、カナダ政府は自国民を帰国させるチャーター機を手配したが、そこにギズボーンの妻と娘は乗せてもらえなかった。ギズボーンによれば、妻と娘はカナダの永住権は持っているが、市民権は持っていないために「除外」されたのだという。

この措置に、「私たちはカナダ人家族ではないのか?」とギズボーンは憤る。

ギズボーンの妻ダニエラ・ルオと娘ドミニカ(9)は永住権を持ち、カナダ市民とほぼ同等の権利が認められている。しかし、カナダ政府は、カナダ市民権を持つ未成年者を連れている場合にかぎり、永住者がチャーター機に搭乗することを認めるとした。そのため、ルオとドミニカは武漢にとどまることを余儀なくされた。

「この基準に何らかの根拠があるのなら、それを明らかにしてもらいたい」とギズボーンは言う。「私はカナダ政府からの説明を求める」

このような「国籍の壁」に直面している家族は多い。

カナダの市民権を持つカイ・フアンは、78歳の母親を武漢に置き去りにして出国便に乗るかどうかの選択を迫られたと、カナダのテレビ局に語っている。母親はカナダの永住権を持つが、市民権は持たないために、チャーター便に乗ることができなかったのだ。

また、武漢で働くイギリス人のナタリー・フランシスは2週間前に、息子のジェイミー(3)は帰国便に乗せられないと、英当局から言われたという。ジェイミーはイギリスと中国の二重国籍であり、その中国国籍が原因とのことだった。

最終的にはジェイミーにも帰国便の席が与えられたが、フランシスのおばが英BBCに語ったところによれば、「本当に離陸の直前まで、母子が一緒に搭乗できるかどうかわかりませんでした」。

Miriam Berger

最終更新:2/11(火) 20:53
クーリエ・ジャポン

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