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LD(学習障害)とは? 「障害の個人モデル」から「障害の社会モデル」への転換へ

2/11(火) 11:50配信

Rolling Stone Japan

2019年9月に書籍『なぜアーティストは壊れやすいのか?』を出版した、音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦。同書では、自身でもアーティスト活動・マネージメント経験のある手島が、ミュージシャンたちのエピソードをもとに、カウンセリングやメンタルヘルスの基本を語り、アーティストや周りのスタッフが活動しやすい環境を作るためのヒントを記している。そんな手島が、日本に限らず世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている ~アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス~」をスタート。第10回はLD(学習障害)をテーマに、産業カウンセラーの視点から考察する。

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発達障害の分類には、これまで紹介してきた自閉スペクトラム症、ADHDと、もうひとつLD(学習障害)と呼ばれるものがあります。これは、全般的な知的発達に遅れがないのに、「読む」「書く」「計算する」などの特定の分野の学習に於いてのみ極端な困難を抱えているケースで、自閉スペクトラム症やADHDと同じく、育てられ方などによってそうなっているのではなく、生まれつきの脳の機能の特性によるものです。

それぞれの発達障害は重複することがある

俳優のトム・クルーズや映画監督のスティーブン・スピルバーグがLDのディスレクシア(読み書き障害)であることが知られています。ミュージシャンでは、オアシスのノエル・ギャラガーがディスレクシアであると言われています。彼は6文字以上だと難しく感じてしまうそうで、そのため「学校時代は最悪だった」と語っています。また、イギリスで絶大な人気を誇る彼らの名曲『Don’t Look Back in Anger』の作詞中、弟のリアムが「”….don’t back in anger ! not today…」と歌うので「don’t look back in anger ! だ」と言うと「だってそんなふうに書いてないぞ」と言われた、というエピソードをイギリスの音楽誌『Q』でのインタビューで紹介しています。歌詞をリアムに渡す時、よく言葉や文章が抜けてしまうのだそうです。

自閉スペクトラム症、ADHD、LD(学習障害)は、それぞれは重複することもあり、人によっては複数の特性をあわせ持つ場合もあります。また、発達障害者支援法では、この3つ以外に「その他の障害」も対象になっており、「吃音」や「トゥレット症候群」といった障害も対象に含まれています。

こうした発達障害の特徴が周囲に理解してもらえず、誤解によってむやみな否定的評価や叱責などが積み重なると、否定的な自己イメージや自己肯定感の低下に繋がってしまい、その結果、抑うつ状態や情緒の不安定、深刻な不適応など、様々な精神的な症状を生じてしまうことがあります。これを「二次障害」と言います。そうした事態を避けるためにも、より一層社会の理解が進んでいくことが必要です。

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最終更新:2/11(火) 11:50
Rolling Stone Japan

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