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チョークの粉は出ないが…「電子黒板」が浸透しない根本的原因

2/12(水) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

黒板、紙の教科書、ランドセル…ずっと続いてきた日本の教育風景が、変わりつつあります。教育(エデュケーション)分野に、IT技術(テクノロジー)を活用しようという取り組みを示す概念、「エドテック」。デジタル教科書、タブレット端末の導入によって、教育現場はどのように変容していくのでしょうか。本連載は、難関資格受験予備校フォーサイトの代表取締役・山田浩司氏の著書『EdTech エドテック』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、解説します。

デジタル機器の導入で「教育現場」はどう変わったのか

昨今の教育現場では、デジタル教科書、電子黒板、タブレット端末といったICT機器(Information and Communication Technology:情報通信技術)を公教育に導入しようとの動きが進んでいます。

例えば、タブレット端末に格納されたデジタル教科書を使えば、すべての教科書、参考書、ドリルを1台の端末に収めることができるため、重い教科書を何冊もランドセルに入れて通学する苦行から解放されます。また、タブレット端末はタッチペンを使うことで電子ノートにもなるので、各教科ごとに用意していたノートも不要になるかもしれません。

何よりもデジタル教科書は、紙の教科書に比べて表現力の次元が異なります。

例えば、漢字の書き順は、これまでは一画目から段階を踏んで徐々に漢字が出来上がっていく様子を、連続した図で見せるしかありませんでした。しかし、画数の多い漢字の場合は、スペースの都合ですべての書き順を見せることができず中途半端な表現になっていたうえ、注意力の低い子どもの場合はろくに書き順を見ることなく、自己流で書いて、自己流で覚えてしまうことが多いのです。

ところが、デジタル教科書であれば、すべての書き順を実際に漢字を書いているアニメーションで順番に見せることができます。そこに動きがあるというだけで子どもの注意を引きつけることができますし、途中でスキップすることをできなくしておけば、最初から最後までじっくりと書き順を見せて覚えさせることもできます。

算数も同じです。立方体の展開図は、実際に画面の中でアニメーションで組み立てて見せることができますし、円の面積の求め方のときには、やはりアニメーションで円をバラバラにしてかたちを変えて見せることで、公式の意味を理解させることができます。

九九の練習など、純粋に暗記を必要とする場面では、ゲーム形式で穴埋め問題に取り組ませることが非常に有効です。

理科では、花が咲く様子や昆虫の孵化の様子をスローモーションビデオで見せることで、自然現象への素直な好奇心をかきたてることができますし、実際の教室では危なくてできない実験も、映像授業で理解してもらうことができるでしょう。生徒自身がカメラを使って写真を撮ることで、正確な観察日記を作ったりもできます。

社会では、実際の工場の様子や働く人へのインタビューを映像として見せることでリアルな実感を持ってもらうことができますし、白地図に名称を書いたり消したりを何度も繰り返すことで暗記を助けることができます。テレビ電話を使って遠くの農家にインタビューしたり、インターネットでものを調べたりするのも良い学習になるでしょう。

英語では、生徒たちの発音をタブレット端末に録音してチェックしたり、あとから自分で聞いて反省させたりすることができます。単語をクリックすればすぐに意味が現れる仕様も、わからない単語が出てくるたびに紙の辞書をペラペラとめくって調べていた昔の学生からすればうらやましい機能です。

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最終更新:3/16(月) 9:09
幻冬舎ゴールドオンライン

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